モブ、とドレス。
はい、また後日のドレスです。
デート自体は楽しいです、ヴィルヘルム様の完璧なエスコートでご入場でございます。
ざわ
ええ、今回も帽子を目深に首元にギュッ、です
開き直りって大事ですわね、すると
ヴィルヘルム様が突如私の耳元にスルッと髪を掛けて来て、その際に触れられた耳がこそばゆくて
「んっ・・・」
甘い声が周囲に漏れてしまいました、いやぁぁ!
絶対わざとですね!?
最近いじわるではありませんかね、私もやり返しますわよ!
・・・いつか
ひそひそ
くう!さっさと採寸しに行きましょう・・・
さて採寸を終わらせて、生地を選んだり普段着用のドレスやワンピースを合わせていると、ヴィルヘルム様の瞳の色のものの他にも変化が欲しくなりますね。
うーん、と悩んでいると
「白が良いんじゃないか?」
「え」
白ですか、白のワンピースとか難しくないですかね、着る人を選ぶと言うか・・・
「大丈夫だ、白にリリーの赤毛は映える、こっちにおいで」
と日当たりの良い所に誘導されると
「リリーの赤毛は陽に当たると、透けて暖かな色合いを放つ、見てご覧」
姿見を見せられる
「わ、私の髪ってこんな色・・・」
確かに赤毛とオレンジ色が混ざったように暖かい感じに輝いてます、外に居る時に自分の髪なんてマジマジと見ないから気付きませんでしたわね。
それに
「凄いです、私地味な容姿であまり綺麗ではないので、白のワンピースなんて憧れていても、着ることはないと思っていたのに、ありがとうヴィー」
「君は地味ではないよ、確かに華美な印象を受ける容姿ではないが、リリーはそうだな、薔薇ではないがチューリップのような花の印象がある、薔薇とチューリップを比べてチューリップが綺麗ではない、と評するか?」
いいえ、と首を振ると、ヴィルヘルム様はニコリとして
「そうだ、どちらも可憐な花でどちらも綺麗なものだ、だからそう卑下するものではないよ」
と、私の髪にキスして来ました
ひゃぁぁ!
ヴィルヘルム様最近色気撒き散らし過ぎでは無いでしょうか!
顔を真っ赤にされてばかりな気がします・・・
「それに、ほら、こちらの白の帽子を合わせると、正に深窓の令嬢だ」
と縁幅の広い帽子を被せられます
「普段はそうではないと言われているような気がするのですが・・・」
むう、としていると
「くっくっ、深窓の令嬢は刃物を持ったり、馬に1人で跨ったり、ましてや騎士団の訓練になど参加しないからな」
「う・・・」
グウの音も出ませんわね。
と次の瞬間には、ぷっと二人共吹き出して笑い合います
ひとしきり笑い終えると周りの視線に気付き
やだなにあれかわいい
ヴィルヘルム様もデレデレじゃないの
良いわねえ微笑ましいわ
と、生ぬるい視線が・・・、目は口程に物を言ってます。
これ、ただのバカップルを披露しているだけなのでは!
ララとルルが見たら
「「ご馳走様、疲れたわ」」
ジトっと見ながら、言ってきそうですね
「「ご馳走様、もういいわ」」
ええ、ええ、言われました。
怪我から復帰して近況を説明しました。
ライラ様の事を主に相談です
「と言ってもリリ、こちらから言う事は無いのでしょう?」
「折角、怪我治ってきたのだからわざわざきな臭い事に頭突っ込む事もないでしょう」
その通りだと思います。
「ええ、そもそも私が挙げた仮説が当たっている確証もないし、あちらから接触がない限りは、これまで以上に気を付けて目立たない様に生活するわ」
「でも、これから目立たない様になんて難しいのでしょ?」
「そうよ、私達にも聞こえて来てるわよ『噂』」
あ、早速効果が出ていますね・・・
「まあ、でも『噂』に関しては直接的には問題ない筈よ、素性は不明なのだし」
「「ええ、そうでしょうともそうでしょうとも」」
ララとルルが笑顔のハーモニーです、何でしょうか。
「彼のヴィルヘルム・クロイツェル王弟公爵閣下が」
「御令嬢をお連れして宝石やドレスを贈っているなんて」
「「まさか御令嬢を横抱きにしていらっしゃるなんて!」」
「・・・」
「「あらあら、うふふ」」
「ま、まあ素敵な話デスワネ」
「「まさか御令嬢が公爵様の首に抱き着いて運ばれたり」」
「「まさか人前で御令嬢を撫でて、甘い空気を作り出したりするなんて」」
や、やめてー!やたらと具体的に広まっているじゃない!
「ごめんなさい、もう許して・・・」
「あら?あらあら?そう言えば、御令嬢をわざわざ抱いて現れるなんて、歩けない理由でもあるのでしょうか」
「不思議ね」
「不思議よ」
「そう言えば私、足を怪我した令嬢を知っているわ」
「あら、私も知っているわ」
「「偶然ねえ」」
「そ、その内、真実が分かるのでは無いかしらね」
「「うふふ楽しみにしているわぁ」」
絶好調ですね!ララさんルルさん!
「まあ冗談はここまでにして」
「ええ、遂に最後の大物のお相手が決まったと結構な騒ぎよ」
「そのご令嬢には身の回り気を付けて欲しいわね」
優しい心遣いが嬉しいわ、ありがと、ララ、ルル。
「でも、これまで見向きもしなかった癖に、いざそうなると騒ぐなんて本当に勝手な話」
今後ヴィルヘルム様に近付いて来る人間は全部敵ね、調子のいい事言ったら絶対許さないわ・・・
「リリ、怖い顔」
「だって、、」
「大丈夫よ、リリが怒るのも解るけど、もし余計な事をする方が居たら彼の御家族が許さないでしょう?」
「それは・・・、そうね、皆様仲がとても良いから」
特にルーク義兄様とヴィルヘルム様は本当に仲が良いわ
うん、ルーク義兄様はヴィルヘルム様に結構構っていて、愛が感じられるものね、いじわるだけど、ちょっとだけ。
王家だものね、周知しろとルーク義兄様が言うのだから色々と手を回していそうだわ
あら?そうなると私があれこれ気を回す必要なんて無いわね、下手な事して迷惑を掛ける事になるより、冷静に対処していきましょう。




