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モブ、幸せへの道筋。

1期終盤は色々と大変な事に巻き込まれました、何事も無かった事で油断していたのもあるでしょう。

ヒロインちゃんのお尻の下敷きになりました・・・


事のあらましはこうです

王子ヒロインちゃん周りが不穏ながらも日々は常に流れるものです、大きな騒ぎもなく、まあ一部ご令嬢方の目付きが厳しい事にはなっていたようですが概ね穏やかな日々と言っても良いでしょう。

完全に油断です、今後私は学園内では油断などしませんわ!


皆さんは階段落ちと言うものを知っていますか?

そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という、アレです。

落ちたんです、ヒロインちゃん。

居たんです、私、下に。


揉めているヒロインちゃんと令嬢、階段上です

婚約者が、とか、縛り付けて、とか、貴方には関係ない、とか、修羅場です。

多分、カラフル軍団の内の誰かの婚約者なのでしょう

関わりたくないので一緒に居たララとルルにチラっと視線を送ると、無言で移動し始めます、()()()を横切って行こうとした、その時。

「この泥棒猫!」

という声が聞こえて来て、わあ泥棒猫なんて台詞言う人居るのね、と階段を見上げたのがよろしくなかった。

もう目の前にはヒロインちゃんが居て、そのまま下敷きになります。

「ぎゃ」

幸い階段と言っても数段程度のものです、下敷きになっても精々が打ち身、擦り傷、捻挫が関の山だったでしょう。

実際、お尻の下になりながら、あいたたた程度の衝撃でした。

「「リリ」」

とララとルルがすぐにヒロインちゃんと私に手を貸そうとしてくれますが

「ちょっと、何するのよ!」

と階段上の令嬢に言いながらヒロインちゃんが立ち上がろうとしていて、

下敷きになっている私の足に重みを感じます、踏んでいるんです、ヒロインちゃんが私の足を。

流石にそのまま体重掛けられては堪らないと

「待っ」

静止しようとしましたが間に合わず、ヒロインちゃんが立ち上がり私の中にゴリッと鈍い音が


「っ、ぎっ、、、!」

痛みに頭の中は真っ白です、全身から脂汗が吹き出ているのが解りますがそんな事に構う余裕などありません

ララとルルが声を掛けて来ますが、答えを返す余裕も無ければ、そもそも言っている事も意味の有る言葉として受け取れません。

どれくらい痛みに耐えて居たでしょうか、延々と長い時間耐えていた気もしますが分かりません、ルルはずっと声を掛けていてくれたそうで、ララがお兄様を連れて来てくれたそうです。

いつの間にかお兄様に横抱きにされて運ばれていました


全治1ヶ月でした(泣)

骨は折れてなかったそうです、ゴリっとした音は多分骨と骨が擦れた音だとか、ひぃぃー


突き落とした令嬢は逃げて、ヒロインちゃんはそれを追い掛けて行ったそうです。

何なの、もう・・・


絶対安静です。

体重を掛けるな、動かすな、立つな、寝ていろ、です。


ヴィルヘルム様も飛んできました

「リリー!大丈夫か、怪我の具合は!」

「ヴィー、大丈夫ですよ、足を傷めただけです、体は大丈夫」

一瞬ホッとした顔を見せるも、すぐに顔を引き締め

「どうして怪我など、何があった」

「えっと、実は・・・」

一部始終そのままお話します、報連相は基本です。

隠す必要の無い事で余計なすれ違いの可能性など、お呼びではありませんわ。


「なるほど、リリーは彼らとは」

「距離を置いてます」

「今後もそうするように、あと令嬢も」

「はい」

「しかし、ふう、アーサーの奴は・・・」

まあ、そこですよね

「あのルーク義兄様は」

「知っているだろうな、影が付いている」

「やはり護衛は付いているのですね」

「ああ、俺にも、リリーにもな」

「えっ、私にもですか」

「ああ、俺が継承権を放棄したと言っても血筋は血筋だ、それに嫁ぐ者も守るのは当然だろう」

()()()などされては堪らないからな、と

(ひえー、事故死ですか、色々と含みのある表現ですね?)


「あの、アーサー様に関しては私見ではありますが、3期生・・・、15歳デビュタントの王宮舞踏会までは様子を見るのでは」

「ああ、まあアーサーの方は兄上が何とかするだろう

それより、その王宮舞踏会の事だが」

「何か?」

「ああ、婚約と婚姻の発表が決まった、リリー、来年の君のデビュタントの日に発表される、式の日取りも近い内に整う筈だ」

「ええっ!?」

私15で人妻ですか!

「今後ともよろしく頼むよリリー、愛している」

突然愛を囁かれ、照れてしまう

「わ、私も愛していますヴィー」

優しいキスをされて心が満たされます。


さて、怪我をしているので暇です

足は痛いですがそれだけで、元気はあるので時間を持て余しています

読書や執筆にも限界があります、流石にずっと本に向かっているのは気が滅入りますからね。

お母様とお話したり、お兄様が頻繁に訪れてくれるとしても、1週間も経てば、それはもうやる事をさがします。


そんな時

「お嬢様、ライラ・ローレライ伯爵令嬢が面会を求めています」


誰!?いえ貴族年鑑で名前と顔は知っているけど

何を突然、精々遠目で見た程度で接点などないはず、暇だったけど流石に面識の無い方と会うのは

「・・・」

「お嬢様?」

「あ、ええ、あのローレライ伯爵令嬢と殆ど面識が無いのだけど、ご要件は?」

「今回の怪我の謝罪と伺って居ますが」

ああ!ヒロインちゃんと揉めてたのは彼女だったのね、チラッと見てその場から離れようとしたから顔まで確認していなかったけど・・・

「分かったわ客間にお通しして、あと手の空いている男性を誰か呼んで」

「かしこまりました」


足の怪我の謝罪に来た方の前に、私が誰かに運ばれて行くのも中々皮肉が効いているけど、痛いから仕方ないわ。

嫌味を言うつもりもないのだけど、ほぼ面識のない方を私室に通すのもイヤだしね。


そうして客間に入ると、ライラ様の顔がサッと血の気が引くように蒼白になります

ごめんなさいね、本当に皮肉のつもりは無いのよ。

「この度は本当に申し訳ございません・・・」

と頭を下げられますが

「あの、恐らく初対面だと思われるのですが・・・

私はリリアン・モブラック、子爵家令嬢です」

と言うと、はっとしたように

「度重なる無礼、申し訳ございません、私はライラ・ローレライ、ローレライ伯爵令嬢です」

自己紹介は大事です、誰が誰に何を、明確にしておかなければなりません。

まあ、ここはモブラック子爵家の邸宅なので、分かりきってはいますが礼儀とマナーですわね。


「本当にごめんなさい、こんな事になるなんて何を言われても仕方ない事だと思います」

「謝罪は受け取りましょう、なのでそんなに気を病まずとも構いません」

本心です、あと即謝罪は受け入れます、こんな事長々と引っ張りたくありません。

今回の件に関しては、突き落とした者も悪ければ突き落とされた者にも非がある事です、それに

「それに、この怪我は令嬢の下敷きになった時に負った怪我ではありません」

「え?」

ライラ様呆然としてますわ

「下敷きになった時に負ったのは打ち身や擦り傷ですわ

ほら、薄くはなっていますが肘の辺りなど」

「その、足は・・・」

「この足は、あの方が私の足を踏み付けたまま立ち上がって怪我をしました、ゴリっと」

にこりとして言います。

「本当にごめんなさい、あの時は頭に血が上ってしまって・・・」

「謝罪は受けました、これ以上と言うのであれば質問に答えて貰えませんか?」

どうしてあの様な状況になったのか

私がライラ様の事を把握していなかったように、ライラ様も私の事を把握していなかったでしょうに、下敷きになったのが「私」と行き着いたのか

あとは、数段の階段とは言えども頭から落ちたら最悪もあります、貴方は人殺しになりたいのですか、とチクっと。


長くなったので分けます。

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