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第276話 二元交渉3

「その条件とは?」

(乗ってきた)


刈谷の返答に、翔太は逸る気持ちを抑えつけていた。


「弊社は霧島プロダクションと資本関係にあります

霧島プロダクションは所属タレントの名誉回復を願っています」

「む、そうなのか……ということは……」


刈谷はワイドショー番組の内容を把握しているようだ。

二宮が直談判してくれた可能性もありそうだと翔太は考えた。


「はい、事実に基づいた公正中立な報道をしていただきたいと思っています」

「よかろう。霧島プロダクションには担当の者から連絡をする」

「ありがとうございます」


(これで、梨花さんのスキャンダルはなんとかなりそうだな)

翔太は内心で安堵していた。

これで神代の熱愛報道は後日訂正されるだろう。


「次に、フォーチュンアーツからかけられている圧力を解除していただきたいと思っています」

「それは東郷さんの介入を止めるということだな」

「はい、彼は北山さんに出資していると我々は見ています」

「うむ、そのとおりだ」


(あれ? あっさりと白状したな)

東郷が北山ファンドに出資しているかは、翔太にとって不確実な情報であった。

にもかかわらず、刈谷はあっさりとそれを認めたことに翔太は驚いた。


「北山ファンドの持株はこちらがすべて買い取る。

彼らの議決権がなくなれば、少なくとも株主として口を出すことはなくなるだろう。

加えて、霧島プロダクションに対して不当な扱いをしないように通達しておこう。

この件はこれで十分かね?」

「はい、ご配慮いただき、ありがとうございます」


(うしっ!)

これで、石動と船井の交渉がまとまれば、オペレーションイージスの目標の一つが解決したことになる。

刈谷との交渉は難航すると想定したため、翔太はあまりにも都合のよい展開に戸惑っていた。


「何か不満かね?」

「とんでもございません。ご快諾いただき、ありがたいと思っています」

「北山さんにせよ、東郷さんにせよ、こちらの経営に口を出されるのは迷惑なんだ」


どうやら刈谷は本心で言っているようだ。

ここで刈谷の思惑を見誤ると致命的になる。

しかし、神代から指導を受けている翔太は刈谷の表情から裏はないと確信した。


北山は『物言う株主』として広く知られているが、それは持株の価値を最大限に高めるためだ。

その持株が高値で売り切れるのであれば、北山にとっても都合がいいだろう。


東郷にとっては出資した分は利益になっているものの、議決権を失ってしまえば梯子を外された形になる。

東郷の誤算は刈谷が今の地位に異常な執着をしていることだった。


「それで……まだ条件があるのかね?」

刈谷は少しでも早くこの交渉をまとめたいように見えた。


翔太はこの調子なら意外と早くまとまりそうだなと、楽観的になり始めていた。


「エッジスフィアと船井さんにはこれ以上、手を出さないようにしていただけないでしょうか」

「そんなことできるかっ!!」


刈谷は烈火のごとく激昂した。

第277話は2025年07月05日06時00分更新予定です

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