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第172話 柊翔太の人格

「は?」

新田は自分の耳を疑うような素振りを見せた。


「新田なら薄々感じていると思うが、この生成AIは()()()()では存在しない技術なんだ」

「うそ……でしょ?」


新田はかなり動揺していた。

彼女がここまで取り乱すのは珍しい。


「柊は未来から来たんだ」

石動は翔太の意図を汲んで言った。


「柊の異常な知識はそう考えると辻褄が合うけど……って、石動はそれを知っていて、信じているの!?」

新田は口をパクパクさせていた。


「これから話すことは、荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、新田を信用しているから話せることなんだ」

「それって、以前に言っていた記憶のことに関係する?」

「そうだ、以前約束しただろ?」

「聞くわ」


新田は真っ直ぐに翔太を見つめながら言った。


***


「にわかには信じられないわね……」

新田は翔太が淹れたコーヒーを飲みながら、長い映画を観終わったような表情で言った。


「俺も最初は何いってんだコイツって思ったぞ」


翔太は石動の反応を思い出した。

初対面のときは吐くほどの嫌悪感があったが、今となっては平気になっていることに気が付いた。

(石動が過去の自分と違うことをやり出して、別人と思えるようになってきているのかもな)


「話を聞く限りだと、あんたたちは元は同じ人間ってことよね?」

「そうだな」「そうだよ」

「それにしては似てなくない?」

『たまーに、ドキッとすることはあるんだけど……』


新田が言った後半部分は小声でよく聞こえなかった。


「柊は俺の倍くらい生きているからな。その間の人生で色々あったんじゃないか?」

「そうかもな」

「なによ、他人事じゃないでしょ」


翔太は(景隆)の人生の内容を、石動にほとんど共有していなかった。


「それで、()()()()()()()()はどこにいっちゃったの?」

「それは俺も気になっていた」


翔太は少し迷った後に言った。


「可能性はいくつかある」

「聞こう」


「最も可能性が高いのは、柊翔太は死んでいるということだ」

「うそっ!」

「俺が目覚めた状況を考えると、そう考えるのが自然だ」

「そうなのか……」


場がしんと静まり返った。


「入れ替わっている可能性もあるな」

「柊翔太の人格がお前とは逆に未来にいっているってことか」

「もし、そうなら、大変なことになっているでしょうね」


翔太は柊翔太が自分の人生を引き継いでいる様子を何度か想像したことがあった。

この場合、自分よりも大変な人生を送っていることは容易に想像が付く。


「もしくは、俺が()()()()だと思いこんでいる可能性だ」

「さすがにそれはないんじゃないか? 俺の恥ずかしい過去まで全部知っているんだぞ」

「一般常識からすると、その説が一番説明がつくけどね」


新田はオカルトの類を一切信じないタイプであり、それは翔太も同様だった。


「実はその説を否定できるものがあるんだ」

翔太が差し出した物は、二人を大いに驚かせることになる。

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