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第101話 暗躍

「――よりにもよってMoGeなんだよな……」

「もげ?」

「MoGeな、携帯電話のゲーム会社だ。Moble Generationの略だったと思う」

「その会社が上場するってことか」

「俺の記憶では、上場が近いはずだ」


石動の家で翔太はグリーンシート(非上場企業の株式などを売買できる制度)の投資先を検討していた。

翔動として、投資で得た利益を映画『ユニコーン』の製作協賛金に当てる算段であった。

石動は翔太の持っている未来の知識を利用して投資で儲けようと企んでいたが、ことはそう単純ではない。


「なにか問題があるのか?」

「以前、バタフライ効果 ※1 の話をしただろ?」

「あぁ、言ってたな」

「俺がMoGeに干渉してしまったんだよ」

「ええぇっ!?」


翔太は順を追って話すことにした。


「MoGeが『ユニコーン』のスポンサーになる予定だったんだ」

「だった?」


「俺が映画の脚本を監修をしていることは知ってるよな?」

「あぁ」

「映画のシーンにスポンサー企業の製品が登場することはよくあるよな?

なので、MoGeの意向を聞きに行ったんだ」

「脚本にモバイルゲームのシーンを入れたりするってことだな」

「その意味で合っている」


「それで、梨花さんを連れてMoGeに行ったところ――」

「ちょっと待て、なんで神代さんが?」


「俺は映画の素人なので、脚本については梨花さんが手伝ってくれるようになったんだ。

それで、MoGeに同行してくれたんだけど――」


翔太は「はぁっと」ため息をつきながら言い放った。


「MoGeの担当者が梨花さんにセクハラしたんだ」

「はあぁっ!?」


翔太は石動に過去の経緯を説明した。


「――そんなこんなで、俺がMoGeにガッツリと干渉してしまったので、俺が知っている結果にはならない可能性がある」

「バタフライ効果でMoGeが上場しない世界線に突入しているかもしれないのか……出資をやめるか?」


翔太は「うーん」と考え込んだ後に言った。


「いゃ、MoGeには出資しよう」

「マジで?!」


「上場基準の一つに、コーポレートガバナンスが整備されていて、それが機能しているかが審査されるんだ。

今回の件でMoGeのコンプライアンス部門はしっかりやっていたので、プラスに働く可能性がある」

「なるほどー、ちょっとした賭けになるな」


「どうする? 降りるか?」

「やるに決まってんだろ!」


石動の返事は翔太の予想通りだった。


「これだけだと心もとないので、俺の方でMoGeの上場を後押しするように動いてみる」

「?」


***


「ふむ、GPSを使ったゲームか」

アストラルテレコムの会議室で高槻は翔太の提案を聞いていた。


翔太は女帝こと姫路により、今後発売されるGPS機能が搭載された携帯電話の新機種を拡販するように依頼されていた。

これは、オペレーションルームで拉致されたときの用件であった。

アストラルテレコムの広報責任者である高槻にとっては()()となるため、なんとしてでも達成する必要がある。


「MoGeにこの企画を持っていくつもりです」

「なるほど……開発費をかけるほどユーザー数も増えるのか」


高槻は翔太が提示した資料を読み込みながら言った。

資料には、競合他社の情報や開発規模と収益の相関などが詳細にまとめられていた。

これを踏まえて、翔太はアストラルテレコムとMoGeとの資本提携を持ちかけていた。


「御社が出資した場合、この要件を飲む可能性は十分にあります」

「そりゃ、そうだろうな……断ってこの話が競合に流れるとあっちもまずいだろう」


高槻はあっさりと翔太の提案を受け入れた。

姫路からも翔太に協力するよう指示されていたこともあり、反対する理由はどこにもなかった。


(次は長町さんと……霧島さんか)

MoGeの上場を果たすべく、翔太の暗躍は続いていく。

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