91.竜王国へ
私、セイ・ファートはある日、魔神竜とかぬかすクソでかドラゴンと遭遇。
パシリ2号(※1号はトリトン)を手に入れたのだった。
海上。トリトンの上にて。
「わぁ! わぁ! お仲間ができたのですー!」
うさ耳奴隷ダフネちゃんが、魔神竜ヴィーヴルの周りをぴょんぴょんと飛び跳ねてる。
「ぐわぐわっ! ぐわー!」
地竜のちーちゃんも、飛び跳ねてる(最近ご無沙汰だったけど、別に別れたわけじゃないわ。ちゃんと連れてきてたから)。
「…………!」
ぴょんぴょん、と水精霊のスィちゃんも飛び跳ねる。
「なんなんすかこのパーティ。女しかいねーじゃないっすか」
「なんか知らないうちに仲間は女しか……ちょっと待って」
今聞き捨てならない台詞が聞こえたのだが……。
「え、みんな?」
「はいっす。みなさんっす」
「ロボはまあ一応女として……トリトンは?」
「え、女っすよね?」
まじぃ?
「そうなのパシリ1号」
『う、うむ……いちおう。生物学上的には……』
「そうだったんだ。えらそうだったから、てっきり男かと」
見た目もクジラだったし、性別不詳だったのよね。そっかー、パシリ1号は女だったか。
「偉そうなのが男なら、マスターも男なのでは?」
「うるさいわね、スクラップにするわよ」
「ふっ……口ではつんつんですけど、夜のベッドではデレデレ……あ、やめて、溶解液ぶっかけようとしないで」
私が取り出したポーション瓶を、ぶっかけようとするも、ロボが私の腕をつかんでくる。
意外と腕力あるなこいつ。ちっ。
「この女子パーティの目的ってなんなんすか?」
「目的? ないわね。奴隷ちゃんズうぃずスィちゃんと、楽しく旅ができたらーって思ってるくらい」
ダフネちゃん、スィちゃん、そしてちーちゃんを抱き寄せる。
うわはは、みんな美少女。もっとちこうよれよれ。
「そうだ、パシリ2号」
「それで定着っすか!?」
「どっかいい観光地知らない? ドラゴンなら、色々飛び回ってるんじゃあないの?」
「無視っすか……うう、またこんな不条理な人の元につくなんて……とほほ……」
またってことは、こいつの前の主人は、そうとう傍若無人なやつだったのね。かわいそうに。
「で、観光地っすか……そうっすね、竜王国スカイ・フォシワとかどっすか?」
「竜王国……スカイ・フォシワ?」
「雲の上にある竜の国っす」
ほおー……雲の上の国か。
「おもしろそうなのです!」「雲に乗るなんて、楽しそうでござるなぁ!」「……トーカ、雲には乗れないわよ」
奴隷ちゃんズが乗り気だし、うん、よし。
「じゃ、次なる目的地は竜王国スカイ・フォシワにけってー」
「「「おー!」」」




