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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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59.ドラゴンもワンパン



 私ことセイ・ファートは、南の島国フォティヤトゥヤァへとやってきていた。

 王子の依頼でダンジョン攻略する羽目になり、奴隷ちゃんズとともにいざ地下へ。


 だが入ってすぐにかわいい奴隷ちゃんたちを眠らせ、地上に置いてくことに成功。

 ロボメイドとともに今度こそ、出発!


「めざすは柔らかい石! あの強欲師匠に全部取られる前に、全部回収しないとね!」

「師匠が師匠なら弟子も強欲、以上」

「だって柔らかい石って、めったにとれないのよ? 貴重なのよ? なら欲しいじゃない!」

「ほんと、似たもの師弟です。以上」


 さてっと、まずは現状を把握しようかしらね。

 ここはフォティヤトゥヤァ地下にあるダンジョン。


 炎の魔神がいる影響か、全体的に暑い。

 てゆーか、床や壁からマグマがどろっと流れ出ている。


 地下空間だっていうのにやたらと広い。

 マグマの地下大迷宮ってとこかしらね。


「目指すはボス……迷宮主ボスモンスターのところですか、以上」


 迷宮。ダンジョンには主と呼ばれる存在が居る。

 そいつが迷宮主。


 迷宮主は迷宮核という、ダンジョンの心臓を守っている。

 その核をぶっこわせば、ダンジョンは自然消滅する。となると……。


「ばっか。まずは柔らかい石の採石場でしょ!」

「外で苦しんでいる人たちがいますが、以上」

「私のポーションが暑さを和らげてるでしょ? モンスターは王子さんたちがなんとかするし。問題なし!」

「どこまでも自分勝手ですねやれやれ、以上」


 はっはっは、このロボは口が達者ねえ。

 口パーツを外しちゃおうかしらね。しないけど。


「じゃ柔らかい石の採石場を探して、シェルジュ」

「またあなたは無茶を……以上」

「できるでしょ、マッピング。はよはよ」


 実にだるそうに、ロボが地面に手をつく。

 特殊な振動波を出して、地下の内部構造をスキャンしてるのだ。


「しばらくかかります。マスターはあれの相手をお願いします。以上」

「あれ……? ああ、モンスターね」


 マグマだまりから、ぬぅう……と巨体が姿を現す。

 見上げるくらいの大きさの……。


「トカゲね」

「草。以上」


 草?

赤いうろこに包まれた、ただのトカゲでしょ?

 

「はいはい邪魔しないでねーっと」


 私は氷獄フリーズポーションをぶん投げる。

 トカゲにぶつかると同時に、瞬時にトカゲが凍り付く……。


 だが、すぐに氷が溶けてしまった。


「あらま、だーるいわ。シェルジュ。ナンバー14」

「今手が離せないのですが、以上」

「ええい、役立たず」

「ひどい言われようです。以上」


 そうこうしてるとトカゲがこっちに向かって走ってくる。

 ばかでかい図体でトカゲが突っ込んでくる。

 人によっちゃおっかなくって動けなくなるかもね。


 けど私はばか……もとい、馬鹿師匠とあちこち危ないところに言ったことがある。

 修行の一環とかぬかしてたけど、どう見ても危険地帯に素材を採取しに行く雑用係がほしかったのよね。


 そこで出会ったモンスターとかいろいろとの遭遇があったおかげで、私はこのトカゲを見ても驚かなかった。

 冷静に敵の攻撃をよける。


 シェルジュのそばまで行き、メイドエプロンのポケットに手を突っ込む。


「あーん、いやーん、以上」

「気色悪い声だすんじゃないわよ! 気色悪い!」

「二度も気色悪いと言われて悲しいですわー。以上」


 全くこれっぽっちも悲しんでないのはわかってるわ。

 私はシェルジュのエプロンポケット……ストレージから目当てのポーションを探し当てる。


「GURUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」

「はいはい、トカゲさんはこれで黙ってなさいって!」


 私は魔法ポーションナンバー14を、突撃してくるトカゲめがけてぶん投げる。

 ぱりん……と割れると同時に、鈍色の粉末が宙を舞う。


「GI……A……G……」


 かちかちかち、とトカゲさんの体が固まっていく。

 凍り付くんじゃない、徐々に石化していっているのだ。


「これぞ、石化メデューサポーション! 文字通りメデューサからゲットした素材で作ったポーションよ。当たるとどんな相手も石化しちゃうのだ!」

「誰に説明してるですか、以上」

「あ、奴隷ちゃんズいないんだったわ……やだ……ついいつものくせで……はずい……」


 いかんな、どうにも、奴隷ちゃんズがいるのが当たり前になってるから、説明が口癖になってるのよねぇ。


「しかしマスター、さすがですね。ドラゴンをワンパンとは。以上」

「はー? ドラゴン? トカゲじゃないのよ。翼がないんだし」


 でっかいトカゲにしか見えなかった。

 やれやれ、とシェルジュがため息をつく。


「やはり驚き役とツッコミ役がいないと、疲れますね。以上」

「なによあんた、ロボなんだから疲れないでしょ。てゆーか、くっちゃべってないで、マッピングは終わったの?」

「ええ、おかげさまで。以上」


 シェルジュが立ち上がると、目から光線を出す。

 空中に投影されたのは、このダンジョンの内部構造だ。


「意外と広いわね」

「目的地はマーキング済みです。以上」

「よーし! ではそこへむかってしゅっぱーつ!」

「マスター。ワタシへのご褒美は? 以上」

「ねえよ」

「がーん。以上」


 さ、そんなことより柔らかい石! 待っててね私のお宝ちゃん!




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[一言] そのうち反乱が起きそう
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