【番外編】
災禍の波を退けて、数年後。
聖王国、王都の城のなかにて。
「ふぁー……ごくらくぅ~」
私……セイファートは、城の中に作った、スパでのんびりしていた。
ふふ……国の予算を使って、巨大な風呂場を密かに作っていたのである。
職権乱用?
いやいや、これも立派な事業ですぅ~。
城で働いてる人たちが、体を休めるための福利厚生のひとつですぅ。
「なんともあくどい王様になったものですね。以上」
「うるせえやい」
ロボメイドのシェルジュが、ため息をつく。
ったく、風呂につかって良い気分だっていうのに、このロボは小言言ってきて、せっかくの気分に水を差すんだからもう……。
「皆は働いてるというのに、このニート王は」
「ちゃんと日々働いてるでしょうがっ。そこそこ忙しくしてるでしょうがっ」
「サボってるくせに」
「サボりじゃないしっ。視察だしっ! そりゃ、視察のついでに美味しいもんたべたり、のんだりしてるけどさ」
「人それをサボりという」
私は決してサボっていない。ちゃんと、王としての仕事はこなしているんだ。
最初はもたついたけど、でも、今はみんなのサポートもあって、仕事を回していけるようになっていた。
「ところで……次の問題を解決するべきかと」
「次の問題? なんぞ?」
「後継者、つまり、世継ぎ問題です」
「ほ……」
世継ぎって……それってつまり……。
「婚活ですね」




