212.一件落着
人体錬成して、復活を果たした私。
草原にて、私の周りには奴隷ちゃんズやら、冒険者フィライト(誰……?)やらが、集まっている状態。
「本当にぶじでよかったですわあ~~~~~~~~~~!」
フィライトが私に抱きついてわんわんと泣いてる。
心配かけて仕舞って申し訳ない。あと君誰……?
まあでも皆概ね笑っていた。これで事件解決……と思ったのだけど。
師匠だけが、暗い顔をしてる。
ほん?
どうしたんだろう。
「あの……」
すると、フラメル師匠が口を開く。
「その……今回の件……実は……わぷっ」
シェルジュが、フラメル師匠の口を塞ぐ。
……ははん。なるほど。
師匠は、自分の罪を明かそうとしてるのだな。
多分だけど、自首しようとしてるんだ。
大勢の人に迷惑かけてしまったから。
……自白しようとしたのを、シェルジュが止めたのである。ナイス。
さて……どうするかな。
「シェルジュ」
「なんでしょう?」
「今回の事件の被害報告を」
「御意」
シェルジュには高性能の人工知能が搭載されている。
また、子シェルジュといって、小さな魔導人形たちを無数に操ることができ、また、彼女らと情報を共有できるのだ。
子シェルジュたちは世界中に散らばっている。それらに、被害状況を確認、その情報がシェルジュに集まってる。
「死者数ゼロ、負傷者は多数。建物の破壊は見られますが、今回の件での死者はおりません」
おおお! と全員が歓声を上げる。
「すごいのですっ」「やはり主殿はすごい」「セイ様の作られた、聖王国の快復装置のおかげですねっ」
自動ポーション作るマシーンのおかげで、死者数はゼロで抑えられたみたいだ。
「それと、皆さまの奮闘のおかげですね」
冒険者たち、そして聖王国民たちも頑張って、災禍の波から降り注いできた敵を倒してくれた。
そのおかげで、今回の被害は驚くほど押さえられたみたい。
うん、なら、私はこう決断しよう。
「皆聞いてっ!」
皆が注目する。
……まあ、ほんとは嫌だけど、めんどくさいけど、しゃーない。
「災禍の波は、私が木っ端みじんに吹っ飛ばした! 魔物を生み出す邪悪の根源は、このセイ・ファートが消してやった!」
「「「おおおおおおお!」」」
「だから……この件は、これでおしまい! 終了! ざっつおーる!」
「「「うぉおおおお! 聖王セイファートさま、ばんざーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」」」
わあああああ! と皆が歓声を上げる。
ま、これでよいでしょう。
「セイちゃん……」
バカ師匠が近づいてくる。
「今回の件……ぼくのせいなのに……あいたっ!」
バカ師匠にチョップを食らわせる。
「親の尻を拭くのは、子の役目なのよ」
「セイちゃん……」
シェルジュが笑ってうなずいてる。
「それに、あんたにはこれから死ぬほど働いてもらうんだからね!」
今回の事件で、死者はでなかったものの、傷ついてる人、大地、建物。
壊れているものはたくさんある。
それを全て治すのだ。
猫の手も借りたいくらいだ。
バカ師匠にも、頑張って貰わないと。
「セイちゃん……!」
だきっ、とバカ師匠が私に抱きついてくる。
「ありがとうっ!」
……こうして、長きにわたる災禍の波事件は、これにて閉幕あいなったのだった。




