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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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212/215

212.一件落着



 人体錬成して、復活を果たした私。

 草原にて、私の周りには奴隷ちゃんズやら、冒険者フィライト(誰……?)やらが、集まっている状態。


「本当にぶじでよかったですわあ~~~~~~~~~~!」


 フィライトが私に抱きついてわんわんと泣いてる。

 心配かけて仕舞って申し訳ない。あと君誰……?


 まあでも皆概ね笑っていた。これで事件解決……と思ったのだけど。

 師匠だけが、暗い顔をしてる。


 ほん?

 どうしたんだろう。


「あの……」


 すると、フラメル師匠が口を開く。


「その……今回の件……実は……わぷっ」


 シェルジュが、フラメル師匠の口を塞ぐ。

 ……ははん。なるほど。


 師匠は、自分の罪を明かそうとしてるのだな。

 多分だけど、自首しようとしてるんだ。


 大勢の人に迷惑かけてしまったから。

 ……自白しようとしたのを、シェルジュが止めたのである。ナイス。


 さて……どうするかな。


「シェルジュ」

「なんでしょう?」

「今回の事件の被害報告を」

「御意」


 シェルジュには高性能の人工知能が搭載されている。

 また、子シェルジュといって、小さな魔導人形ゴーレムたちを無数に操ることができ、また、彼女らと情報を共有できるのだ。


 子シェルジュたちは世界中に散らばっている。それらに、被害状況を確認、その情報がシェルジュに集まってる。


「死者数ゼロ、負傷者は多数。建物の破壊は見られますが、今回の件での死者はおりません」


 おおお! と全員が歓声を上げる。


「すごいのですっ」「やはり主殿はすごい」「セイ様の作られた、聖王国の快復装置のおかげですねっ」


 自動ポーション作るマシーンのおかげで、死者数はゼロで抑えられたみたいだ。


「それと、皆さまの奮闘のおかげですね」


 冒険者たち、そして聖王国民たちも頑張って、災禍の波から降り注いできた敵を倒してくれた。

 そのおかげで、今回の被害は驚くほど押さえられたみたい。


 うん、なら、私はこう決断しよう。


「皆聞いてっ!」


 皆が注目する。


 ……まあ、ほんとは嫌だけど、めんどくさいけど、しゃーない。


「災禍の波は、私が木っ端みじんに吹っ飛ばした! 魔物を生み出す邪悪の根源は、このセイ・ファートが消してやった!」

「「「おおおおおおお!」」」


「だから……この件は、これでおしまい! 終了! ざっつおーる!」

「「「うぉおおおお! 聖王セイファートさま、ばんざーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」」」


 わあああああ! と皆が歓声を上げる。

 ま、これでよいでしょう。


「セイちゃん……」


 バカ師匠が近づいてくる。


「今回の件……ぼくのせいなのに……あいたっ!」


 バカ師匠にチョップを食らわせる。


「親の尻を拭くのは、子の役目なのよ」

「セイちゃん……」


 シェルジュが笑ってうなずいてる。


「それに、あんたにはこれから死ぬほど働いてもらうんだからね!」


 今回の事件で、死者はでなかったものの、傷ついてる人、大地、建物。

 壊れているものはたくさんある。


 それを全て治すのだ。

 猫の手も借りたいくらいだ。


 バカ師匠にも、頑張って貰わないと。


「セイちゃん……!」


 だきっ、とバカ師匠が私に抱きついてくる。

「ありがとうっ!」


 ……こうして、長きにわたる災禍の波事件は、これにて閉幕あいなったのだった。

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