207.めざせハッピーエンド
天空城でラスボスである師匠を、説得した私。
しかしアホの師匠は、自分がやられても発動する罠を仕掛けてやがった!
超上空から、巨大な天空城が落下しようとしてる。
しかもご丁寧に落下した瞬間に大爆発が起きるように、術式が組まれていた。
だから……。
「天空城を、ぶっ壊す!」
私の言葉を聞いて、シェルジュがため息をつく。
「……さっき壊す案は却下したはずでは?」
「そうね、この星で壊すのは、って意味よ」
「なるほど……この星からこの城を追放し、宇宙空間で爆発させるということですね」
「そゆこと」
つまるところ、落下しようとしてるこの城を、空に向かってぶっ飛ばせば良いってことだ。
「でも……ママ。どうするの?」
「馬鹿師匠とリーンフォースは、結界を張って、足場を作って。シェルジュ、あんたはその足場を使って、天空城の落下を止めて。一秒……ううん、0.1秒でいい。動きを少しだけ止めて。あとは……私がなんとかする」
うなずく師匠とリーンフォース。
「……マスターはどうするのですか?」
「私はここに残って、最後の仕上げをする」
「それでは、マスターが……」
「だいじょーぶ。私は機を見て脱出するさ」
私がそいういも、師匠とリーンフォースは心配そうな顔をしてる。
シェルジュも一瞬、ほんの少しだけ不安げな顔をした。
だが、すぐにいつものすました顔になる。
「承知しました。マスター。ご武運を」
「うん。さ、皆! 最後の仕事よ!」
これで皆でハッピーエンドじゃい!




