203.和解
バカ師匠を抱きしめる私。
師匠はグスグス……と涙を流していた。
「……ぼ、ぼく……セイちゃんから、愛してもらってたんだ……ね……」
師匠は子供のように泣きじゃくっていた。
嘘泣きのようには思えない。彼女の……女かわからんけど、師匠の心に、ワタシの言葉は届いてくれたらしい。
「ぼく……バカだった……」
「そーね。バカ丸出しよ」
私は師匠との抱擁をといて、シェルジュの前に突き出す。
「おら、この子にも言うことあんでしょ?」
師匠はシェルジュに今まで酷いことをしてきた。
作って、放置。なんとも愛のない接し方だ。
シェルジュは、親である師匠に愛されたがっていた。
一番身近に、自分を愛してくれる人がいたっていうのにね。
「シェルジュ……ごめ……ぶっ!」
シェルジュは師匠の顔面にパンチを食らわせた。
まーそら怒るわな。
「これで勘弁してあげます」
あら、意外。
自分を虐げてた師匠に、もっと酷いことするのかと思っていた。
「マスターがいなかったら、多分ワタシはこの人を殺してましたね。マスターに感謝なさい」
私なんかしましたかね……。
「ま、何はともあれ、これにて一件落着! さぁて、とっとと帰りましょう」
と、そのときだ。
ドガンッ……!
「な、なに?」
「お、お姉ちゃん! 大変なのですー!」
偽の英雄達と戦っていた可愛い奴隷ちゃんズたちが、私の元へとやってくる。
ダフネちゃんが血相変えて、私の腰に飛びついていた。
「ど、どうしたのダフネちゃん……?」
「このお城! 地上に落下してるのですー!」
……。
…………。
は? なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?




