196.無関心
天空城にて。
フラメル師匠が、事件の真相を話した。
このポーション技術が衰退した世界は、フラメル師匠が、私のために作った世界……。
「そ、そんなことが可能なのですか……?」
ゼニスちゃんが師匠に尋ねる。
「何も難しいことはないよ。治癒魔法……光魔法の効果をダウンさせる結界をこの星にはって、あとはポーション技術の書かれている書物を全部消す。技術者には金を握らせ腕をさび付かせる。ほら簡単」
……どこが簡単じゃ!
どれもヤバいことくらい、私にだって奴隷ちゃんズだってわかる。
「すべては可愛い可愛い私の弟子のため」
「でも……結果……治癒の恩恵を受けられず、大勢の人が死んできたんじゃ無いですか?」
するとフラメル師匠はきょとんとした顔で言う。
「え? それって何か問題でも?」
「!?」
ゼニスちゃんが息をのむ。
「だって別に、私の好きじゃ無いやつが死のうがどうでもよくない? 大事なセイちゃん以外どうでもいいしぃ?」
……ぎゅっ、とシェルジュが唇をかみしめるのがわかった。
シェルジュはこの女に作られた生命体。
つまりはシェルジュの親であるはず。
だというのに、自分の子のことを、どうでもいいって言ってきやがったのだ。
……さすがに、ふつふつ……と怒りがわいてくる。
「さぁ、セイちゃん。サクッと私を殺して? そしたらあなたは聖なる女神として、伝説になるわ」




