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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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187.存在希釈



 師匠の張った結界のせいで、敵の本丸に入ることができない。

 が、結界を破壊すると、魔物がワッ……! と外に流れ出てしまう。


「結界を抜けるといいましても、具体的に、どうなさるんですか?」


 隣に立つシェルジュが尋ねてくる。


「ま、見てないさいって。セイ・ファートお姉さんの、最上級ポーションの力を!」


 自分の工房を建て、そこで作った最強のポーション、最上級ポーション。

 私はストレージから瓶を取り出し、護神像ごじんぞうにセット。


 護神像ごじんぞうに、私の作ったポーションが充填されていく。

 

「よっしゃ! ごー!」


 護神像ごじんぞうを発進させる。


「マスター、このままでは結界と衝突し、護神像ごじんぞうが壊れます」


「大丈夫! いっけぇえええええええええええええ!」


 シェルジュがきゅっ、と私に抱きついてきた。

 ああん? びびってるの?


 大丈夫っていってるのにね!

 うぉお! いっけー!


 護神像ごじんぞうは結界に……ぶつかること無く、素通りした。

 よっしゃ!


「みっしょんこんぷりーと!」

「どう……なっているのですか?」


 ふふん、シェルジュも最上級ポーションについては知らないようね。


「私は、存在希釈ポーションを使ったのよ!」

「存在……希釈……?」


「今ここに存在するものの、存在を、希釈するの」

「い、意味がわからないです……」


 あん、わからないの?


「ま、簡単に言えば、透明人間になるってかんじ。でも、見えなくなるんじゃなくて、存在を極限まで……」

「もういいです。凄いポーションで凄いことしたと、解釈しますので」


 理解を放棄しやがったぞこいつ!

 せっかく人がきもちよーく、説明しようと思ったのにっ。


 まあいいわ。

 敵の本丸に入ることに成功!


 あとはボスを倒して、ハッピーエンドよ!

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