185.黒幕
災厄の波へ立ち向かう私。
シェルジュとともに、波の中心地点へと向かっている。
出てくる合成獣を、私の作った虐殺ポーションで大★虐★殺! していく。
「わははは! 合成獣ごときが、私に勝てると思うなよぉ!」
錬成工房から次々と、ポーションが生成されて、シェルジュの運転する護神像へと装填されていく。
ばしゅばしゅばしゅっ! とポーションが射出される。
瓶が合成獣にぶち当たると、塵も残さず消滅する。
「しかし……」
「どしたの?」
「あ、いえ。この災禍の波を引き起こしてるのは誰なのでしょうか」
「あん? 自然現象じゃないの?」
記録にはそう書いてあるのだが。
「災禍の波は、魔物を大量に作る自然現象ですよ? 一方、合成獣は、人為的に魔物を組み合わせ、錬成する」
「!」
……言われてみればそうだ。
自然現象のくせに、合成獣が作り出されるのは……オカシイ。
「じゃあ、誰かが故意に、この波を起こしてるってこと?」
「おそらくは」
……ううん、誰が、何のために、災禍の波を引き起こしてるんだろう……。
「マスター。ワタシは、恐らくポーション技術衰退の件も、黒幕が関わってるのでは無いかと推測します」
「え? それも?」
「はい。災禍の波の到来。ポーション技術の衰退。どちらも、同じ悪意を感じます。すわち……」
「人類滅亡……?」
「はい」
「……なるほどねえ」
人類を滅ぼすために、回復手段を絶ち、そして、未曾有の大事件を起こす……か。
「黒幕がいるってことね」
一体どこのどいつだ、まったく、迷惑なことしやがってよぉ。
「マスター。見てください。災禍の波の中心地点です。これは……」
視界の先、巨大な灰色の城があった。
あれが黒幕のいる城……かしらね。
「どうしますか?」
「ツッコめ!」
「イエスマム」




