184.最上級ポーション
災禍の波の中へとむかう私たち。
降り注ぐ敵はシェルジュが狙撃をしてたおしていたのだが……。
「マスター、予想通り強い敵が来ます」
「モニターに表示なさい」
護神像のモニターに、外の様子が映し出される。
「うげ……きも……なんだありゃ」
ぱっと見普通の飛竜だ。
だが、全身に目玉がついてる。うげげ、きんもぉ~。
「どうやら、複数体の魔物をくっつけ、無理矢理ひとつの魔物にしてるようですね」
「なるほど……合成獣ってやつね」
錬金術の技術のひとつだ。
肉体をくっつけて、新たな生命体を作る。
だがそれは、外法。我々錬金術師の中では禁忌とされている。
「災禍の波では、魔物を生み出すだけじゃなくて、合成獣作成まで行われてるのね……」
「どうしますか、マスター。合成獣の強さは、素材となった魔物の強さのかけざんですよ?」
たとえば2匹の魔物を合成獣にしたとする。
その際、強さは足し算ではなく、かけ算されるのだ。
つよさ10の魔物が二匹いれば、100になる。
「元となった魔物は古竜ね。それも、複数体……何百、何千の魔物を無理矢理ひとつの肉体に収まるように、ぎゅうぎゅう詰めにしてる」
「わかるのですか?」
「ん。なんとなくね。いい職人ってやつは、いい眼も持ってるのよ」
どやぁ……。
「どやってるところ申し訳ないですが、あれをどうにかしてください。銃弾では倒せません」
さっきからシェルジュが狙撃をくりかえしてる。
が、敵の体には傷ひとつつかない。
「しゃーないなぁ。セイ・ファートお姉さんが、ポーションで解決してやるわ!」
あれ倒しておかないと、地上にいるゼニスちゃんたちに、襲いかねないからね。
可愛い奴隷ちゃんズを守るため、お姉さんは戦うのだ!
「ということで、錬成工房、展開!」
私の目の前に小さな箱が出現。
これは錬成工房、錬金術を柄時の必須アイテムだ。
「そんで……私の工房と接続!」
錬成工房と、聖王国にある巨大な私の工房をつなぎ合わせる。
これにより、外でも大規模な錬成を行うことが可能となるのだ!
「さぁ、いでよ私の作った、最上級ポーション!」
ごごごごごお……!
錬成工房のなかで、なんか凄い音が聞こえる。
そして、側面から1本の瓶が排出される。
「そら、シェルジュ。それをあの合成獣にぶち当てて」
シェルジュが素直に受け取り、目を大きく剥く。
「マスター……これは……すごい薬ですよ」
「そーよ、劇薬。飲んじゃだめよ」
こくん、とうなずいてシェルジュが護神像の操作盤に、ポーションをセット。
「虐殺ポーション、射出!」
「なんという恐ろしい名前……。ファイヤー!」
私の作った最上級ポーション、虐殺ポーションが射出される。
それは一直線に合成獣へと飛んでいく。
どがんっ!
その音がすると同時に……。
合成獣の体が、膨張。
そして……。
パァアアアアアアアアアアン!
「風船のように、合成獣が割れましたね」
「わはは! どうだみたか! これが、フラメル式錬金術奥義! 最上級ポーションの威力じゃあ!」
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