181.戦地へ
私は災厄の波をとめるべく行動開始した。
通りかけた王都にて、死人が出ていたので、助けてあげることにした。
ちびメイドたち、そして私の作ったポーションのおかげで、王都は驚くべき速度で機能回復した。
「ほんと、ナントお礼を言って良いやら……」
冒険者さんたち(懐かしい顔ぶれ)が私に頭を下げる。
「たいしたことはしてないわ。皆無事で良かった」
助ける力があるのに、助けなかったとなったら、目覚めが悪いものね。
「おお、聖女様、なんと慈悲深い……」
いや聖女じゃ……はあもういいか。
「ええっと……フィライトさん?」
「はいですわ!」
これからの指示を言い渡しておこう。
「これから私は、波の中心部に向かう。その間にも敵が襲ってくるわ。その間……皆を守り、治療してあげてちょうだい」
「聖女様のご命令とあらば! ですが……治療するにも、わたくしは治癒の力を持ってないですわ……」
「そこは問題ない。シェルジュ!」
こくん、とシェルジュがうなずく。
空に浮いてる護神像が起動する。
口から何かを吐き出す。
どんっ! と私たちの隣に1つの巨大な卵が着地した。
「これは欲しいものポット」
「ほしいもの……ポット?」
シェルジュが「ネーミング雑……」と突っ込んできたが、無視する。
「欲しいものを入力すれば、中で欲しいものを作ってくれる魔道具よ」
私が実践してみせる。
卵の表面にふれる。ぱか……と蓋が開くと、そこにはポーション山盛りが完成していた。
「すごいですわ!」
「これを使って皆を守って……。それと、リーンフォース」
ぴくっ、と私の娘、リーンフォースが反応を示す。
「それと魔神ども。あんたらに地上の守りを任せるわ」
魔神どもがこくんとうなずく。
リーンフォースは「ままぁ……」と泣きそうだ。
まあ、わかる。
やっと再会できたのに、別れるのは辛いってね。
「だいじょーぶ。直ぐ帰ってくるわ」
「…………」
ぐずるリーンフォースの頭をなでる。
だがやっぱりついてこようとする。うーん危ないからついてきてほしくないんだが……。
「リーンちゃんっ、だふねたちと、一緒にお留守番するのです!」
奴隷ちゃんズのひとり、ダフネちゃんがそういう。
「おねえちゃん、強いのです! 絶対帰ってくるのです!」
「…………おねえちゃん……」
「ね、一緒にまってよう?」
ああ、ダフネちゃん……なんて良い子なの。
するとリーンフォースが「わかった」とうなずく。
「ありがとう。じゃ、行くわよバカメイド」
「YES、マム」
私とシェルジュはうなずいて、護神像に乗り込む。
「おねえーちゃーん! がんばれー!」
奴隷ちゃんズが応援してくれる。
よーし、お姉ちゃんがんばっちゃうぞ!




