180.神、合流
《セイSide》
私ことセイ・ファート。
災厄の波に立ち向かい、今なお波を食い止めようとしてる、師匠を救い出しにいくことになった。
護神像を使って波の中心部へ向かう途中、王都が襲われているのを目撃。
一分一秒も惜しい状況ではあったのだが、奴隷ちゃんズの期待のまなざしに耐えきれず、助けてあげることにした。
「で、あなたたち……確か……」
ちょっと前に、街で出会ったこのとある、冒険者たちと顔を合わせた。
確かボルス……フィライト……だったかしら。
「覚えててくれたのかい、聖女の嬢ちゃん」
「いや聖女ちゃいま……」
違う、といいかけて、今は聖王国のセイ・ファート女王なのだったと思い出す。
聖王国王女、略すと聖女になる。
「まあ、そうですね……お久しぶりです」
「ああ、久しぶり……というか、助かったぜ嬢ちゃん。ほんと、終わるとこだったよ……」
確かに王都は酷い有様だった。
怪我人、壊れた建物。
とんでもない惨状が目の前に広がっている。
これを放置してむかうのは、さすがに気が引けた。
「つーことで、メイド隊! 治療、救助、修復頼む!」
「「「いえっさ、ますたー」」」
ちびシェルジュたちが、私の言葉に反応する。
「あのちっこいのはなんだい?」
「ロボメイドの量産型よ。師匠が作った魔導人形を、デチューンして、量産したの」
シェルジュほど高性能じゃないがね。
しかし簡単な命令はきいてくれるのである。
ちびメイド達が建物をどけ、下敷きになっている人たちを助ける。
また、修復ポーションをぶっかけ、建物を直す。
私の作ったポーションを使い、ちびメイドたちが、王都を治してく。
「す、素晴らしいですわ聖女様ぁ!」
「うわぁ! な、何きゅーに……」
確かフィライトとか言う女冒険者が、私に抱きついてわんわんと泣く。
「わたくし今奇跡をこの目でみておりますわ! ずっと見たいと思っていた光景が今ここに! 光栄ですわぁ!」




