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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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170/215

170.物作りしてるだけなんだよなぁ……



 初めまして、聖王セイ・ファートですっ。

 聖王国セイファーとの、国母やってまーす! きゃぴっ☆


 ……はあ、どうしてこうなった。


「んま、私にはかんけーねーこった」


 私は研究室に引きこもり、魔道具やアイテム作りをしてる。

 国の運営は丸投げ。つーかそもそも国王になった覚えないし。勝手に祭り上げられてるだけだし。


 私は気ままに、自分のしたいことをするのだ!


「さすが世界一のわがまま女ですね」

「おう馬鹿メイド、いたのか」

「ええ、ずっと」


 いつの間にか研究室に、桃色メイドがやってきていた。

 お盆にはポットとティーカップが載せてある。


「ん」

「やれやれ、メイド使いの荒いマスターですこと」


 シェルジュが嬉しそうにお茶を煎れて、私のテーブルの上に置く。

 チャをよこせ、と言わずとも、このメイドは私の「ん」だけで察したようだ。その辺はまあ、付き合いも長いからできる技なんだろうな。


「民をこき使い、王は自分の趣味に興じる。なんとも悪徳王ですね。下剋上されないか心配」

「別に王になった覚えないっつーの」

 

 周りが勝手に私を神輿にのせて、わっしょいしてるだけだ。

 下剋上とかそもそもない。


「私ドワーフをこきつかってませんけどぉ? 彼らが勝手に手伝ってくれてるだけだしね」

 私が何か作ってると、向こうから「作り方教えてください」だの「手伝わせてください」だの言うのだ。

 別に無償で働かせるわけじゃあないし。


「感謝の念も忘れ、王は自分のやりたいことばかりする。これは下剋上秒読み。そして何もかも失って路頭に迷うセイ・ファートに、優しく手を差し伸べるのは、長年の相棒のロボメイドだったのだ……」

「はいはい。はー、しかし最高だわ~。好きな物、好きなときに作れるのってねえ」


 ラボのなかには、私が作った物でごったがえしている。


「旅もいいけど、物作りも好きなんだよなぁって、改めておもったわ」


 旅の途中で思いついたアイディアを、形にするためには、どうして道具や設備がいるものね。

 旅してると作れない。


 そんな風に旅してる間に、作りたい欲がめちゃくちゃ溜まってたのか……。

 気づいたら、こんなたくさんのアイテムを作っていた。


「しかもどれも伝説、神話級のアイテムばかりですね」

「そう?」

「ええ。少なくとも、この世界の基準に合わせると、どれもすごいものですよ。マスターは性格はアレですが、腕だけはいいですね」

「うっさいわ」


 しかし、まだまだ作りたい物がたくさんある。

 結構長く旅してたからかな。


「これは当分、引きこもりますわ」

「承知いたしました。では、【外】のことはこの万能ロボメイドにお任せあれ」

「ん、頼んだ」


 ……ん?

 外の、こと? なんだろう外のことって……ううーん。

 ま、いっか! どうでもいいしね、外で何が起きてようと。


【お知らせ】


錬金術師、ラノベ2巻が12/15に発売!

予約受付中です!


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挿絵(By みてみん)



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12/26発売の、電撃大王さまにて、連載開始!


よろしくお願いします!


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] コミカライズおめでとうございますm(_ _)m アニメになるのを待ってます
[良い点] いつも楽しく読んでます! コミカライズおめでとうです! 可愛いみんなが動いてるのは楽しそうですね!
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