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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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169/215

169.聖王、爆誕


 私はドワーフ国に工房を設けた、のだけど……。


「聖王さま、おはようございます!」

「おはようござます、聖王さま!」

「聖王様ばんざーい!」


 ……うん、なんだこれ?

 城の中には、いつの間にかドワーフたちが居着いていた。まあ、別にいい。彼らにはポーションや魔道具作りの手伝い(もとい雑用)をさせられるから。まあいい。


 問題は、だ。


「なによ、聖王って……!」


 私は馬鹿でかい食堂で、可愛い奴隷ちゃんズとご飯を食べている。

 メイドのシェルジュがぷすす、と笑って言う。


「聖王セイファートをごぞんじないのですかぁ?」

「あ? なによそれ、聖王セイファートって……」

「えー、知りたい~? 知りたいの~? どうして知りたいっていうなら教えてあげてもいいけど、チューの一つくらいしてもらわないとなぁ」


 バカメイドをほっといて、頭の良いエルフのゼニスちゃんに尋ねる。


「ゼニスちゃん、聖王セイファートってなぁに?」


 するとゼニスちゃんはこんなことを言う。


「旧ドワーフ国、現、聖王国の女王陛下です」


 …………………………はい?


「ぜ、ゼニスちゃん……え、ここってドワーフ国じゃあなかったの?」

「はい。セイ様の工房を作っている間にドワーフの頭領たちが集まって、この国を聖王国へと名義を変更したようです……ご存じかとおもってたのですが。シェルジュさんには報告しましたし……」


 さっ、と馬鹿メイドがそっぽを向く。


「おい馬鹿。なぜ報告しなかったぁ!? ああ!?」

「王となったマスターを見てみたくて……てへ♡」

「よしわかった、そんなにスクラップになりたいんだな。粉々にしてやるよぉお!」


 私は爆裂ポーションを取り出してシェルジュにぶん投げようとする。


「だめなのですー! ケンカはだめなのです!」


 我らのパーティの天使こと、ダフネちゃんが私の腕にしがみつく。

 くっ……! 天使!


「天使に感謝するんだな馬鹿メイド」


 しかし……聖王セイファートに、聖王国だぁ……?


「なんでそんなことになってんのよ? 私、何かした?」


 すると奴隷ちゃんズきょとん顔。

 シェルジュが「ぷすす」と笑う。むかっ。


「リーンフォース。どうしてこうなってるのか知ってる……?」


 すると私の娘、ホムンクルスのリーンフォースが応える。


「ママは魔神からこの国を救った。それに、大聖女をそばに置いてる。だからかも」


 ……そういや、そうだったわね。魔神討伐と、あとリーンフォースを仲間に引き入れてる。

 それらを評価されたわけか……なるほどなるほど……。


「どうしてこうなった……!!!!!!!!!!!!!」


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