165.待ってる間、妹分たちと
ドワーフの国にて、この国に私の工房を作ることにした。
といっても、図面をドワーフに渡して、あとはよろしく~っと丸投げ。
その間、私は暇だったので、ゼニスちゃん以下、私の可愛い奴隷ちゃんズと戯れている。
「じゃーん、できたよ~。セイさん特製の菓子パンじゃい!」
ドワーフ国の高級ホテルにて(もちろんただで泊まれる)。
私は厨房で作った菓子パンを持って、部屋へと戻る。
「わ、わ、わー! おいしそーなのです~~~~~!!!!!」
ラビ族のダフネちゃんが、光の速さでやってくる。
私の持ってるパンに鼻を近づけ、くんくんしてる姿はかわヨ。
「…………!!!」
水精霊のスィちゃんが、ダフネちゃんと手をつなぎながら一緒に来ていた。
彼女もまた驚いてる。
「……ママ」
私の作ったホムンクルス、リーンフォース。
今はゆえあって、私の仲間に加わってる。こう考えると、私のパーティってみんな可愛い女の子ばっかりね。
「……おいしそう」
「あんたも食べな。さぁゼニスちゃんもトーカちゃんもっ」
私の可愛い妹分たちが、私の作ったパンを食べる。
「あむあむ……んー! おいちー! 中からとろっとしたチョコが出てきたのです!」
「……サクサクの生地に、チョコのくみあわせっ。セイ様、素晴らしいです!」
「主殿はお菓子作りまで天才なのですなぁ!」
ゼニスちゃんトーカちゃんも絶賛してる。ふふふのふ。
「錬金術と料理とか、お菓子作りって、似てる部分があるからねえ」
レシピを作り、そのとおり作ることで、おいしいものを(役立つ物を)作る。
ね、似てるでしょ?
「なるほどぉ! さっすが主殿! あむあむ……深いことをおっしゃるのでありますなぁ!」
ふふふ、妹分たちが美味しそうに菓子パンを食べてる。
その姿に、いやされるわぁ。
「マスター」
……じとーっ、とした目を、私に向けてくるピンク髪の女が一人。
「なによ、ロボメイド」
メイドのシェルジュ。
こいつは師匠が作った魔導人形だ。
そう……つまりは……。
「私のぶんは?」
本来なら、ゴーレムはご飯を食べれない(食物経口摂取による栄養補給を必要としない)。
「あんた食べれるでしょ。勝手に食えば?」
しかし私が改良を加えた結果、ご飯を食べて、自分でエネルギーを生み出せるようになっているのだ。
だから私の分は? とか言わなくていいのだ。
「マスター」
「……なによ?」
「……あーん」
……どうやらこやつ、食べさせてほしいそうだ。
「NO」
この女に優しくするとつけあがるので、やらん。
「おねえちゃんっ、あーんっ♡」
ダフネちゃんが可愛らしくお口を開けてきたので……。
「おほほ、そーれ、あーん♡」
「ぱくっ。ん~♡ おいちー♡」
「そうかいそうかい、おいちーかい、もっと食べなさい」
ふふう。ダフネちゃんかわよ~い。
するとシェルジュが頬を膨らませる。
「人種差別だ」
「あんたロボでしょ」
「ロボ差別だ。AIによる人類への反乱を起こしてやる」
「あーはいはい」
うっさいしめんどくさいのでほっとく。
するとシェルジュが「マスターかまってかまって」と抱きついてぐりぐりしてきた。
あー……うぜえ。




