163.工房を作らせる
私はドワーフの国、カイ・パゴスにて、自分の工房を建てることにした。
といってもぉ、建築の技術なんて私にはなっしんぐ。
しっかーし! この国には手先の器用なドワーフたちが大勢いる!
てことで、彼らにお願いすることにした!
「で、こんな感じなの」
ドワーフ国王都、カイの街にて。
会議室にはたくさんのドワーフたちが集まってる。
ここに来たときに初めて会ったドワーフ、テテロロをはじめとした職人たちが、私の要望の書いてある羊皮紙を見る。
「セイ様。作ったことのないものがたくさんあるのですが……」
「あら、無理そう?」
「いえ! 今から作るのが、わくわくしておりまする!」
ドワーフたち目をキラキラさせてるわ。
うん、嫌がってないみたいね。
「蒸留器などの機材の設計図はこれね。それと工房全体の図面なんだけど……」
ドワーフたちがのぞき込んで、微妙な顔になる。
ひょい、とゼニスちゃんたちもまた見て、微妙な顔になる。なにそれ。
最後にロボメイドが一言。
「これはひどい」
「あ? どこがよ」
「幼稚園児の絵の方がましかと」
「スクラップにするわよあんた」
ゼニスちゃんが私の描いた絵を見て言う。
「ええとその……ドワーフさんたちに清書してもらった方が良いかなと思います。これではその……寸法とかわかりませんし」
「そ、そうですセイ様! 我らにおまかせください! 直ちに図面を引いてきます!」
ふむ……ま、プロに任せましょうかね。
「器具の設計図は見事な物なのに、建物の図面は幼稚園児レベルとか。興味の差なのですかね?」
「殴るわよ」
「手を痛めますよ?」
「ちっ……。まあいいわ。さ、できあがるのを座して待ちましょうか。それまでダフネちゃんたちとあーそびましょ」
「ほぼ丸投げで草」




