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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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162/215

162.これからのことを考える枠




 私ことセイ・ファートは、ドワーフ国で生意気な巨神王をぶっ飛ばした。

 私が作ったホムンクルスの少女も無事回収し、一息を付いた。



「さぁって……と」



 私たちがいるのはドワーフ国にある、首都カイ。

 そこの開いてる宿屋の一室。



「わぁ! りんちゃん、きれーですー!」

「…………」こくんこくん。



 ベッドサイドに座る我が妹たち。

 ダフネちゃんの隣にいるリーンフォースが、手のひらの上に、結界を構築していた。



 立方体の結界がいくつもならんで、空中で回転してる。

 光の反射を受けてなるほど、キラキラしてるわね。



「癒やしだわー」

「マスター、話戻して」

「うん。みんな集合!」



 いそいそと、私の可愛い妹たちが集まってくる。

 お行儀良く座り、私の話耳を傾けている。



「だふねのみみ……傾ける!」



 うさ耳を傾けるダフネちゃんキャワヨ。



「えー、これからですね、ちょっとこの国に拠点を作ろうかなって思っております」

「「「きょてん……?」」」



 こてんと首をかしげるなよ、可愛いじゃんか。



「錬金術師の工房ね」

「それは前に、シェルジュさんがいた塔みたいな?」

「その通り。あれは師匠の工房ね」



 錬金術師は一人一つくらいは、自分の作業場所……工房を持っている物だ。

 私の場合は、スタンピードによって工房がぶっ壊されて更地になってしまった……。



 それ以降、自分の工房を持っていない。の、だけど……。



「こないだのスリュム戦で結構ポーションを消費しちゃってね。補充したいんだけど、この辺にバカ師匠の工房がない。ならいっそ、ここに自前の工房を作って、拠点の一つにしようかなってね」



 ドワーフたちにはすでに話を通している。

 ぜひぜひと言われた。多分私がいれば、外敵がまた現れても安心とか思ってるのだろう。



 私は戦闘員じゃあないんだけど……。 

 ま、いっか。Win-Winの関係ってやつね。ドワーフは安心と安全を、私は場所と素材と労働力をゲッツ。



「マスター、搾取するつもりじゃあないですか?」

「しないっつの。元社畜なめんなよ?」



 奴隷のように働かされた最低で最悪な過去がある。

 私は、そんな辛いことを他人には絶対しないのだ。



「というわけで、作るわよ……工房! みんな手伝って、くれるかな?」

「「「いいともー!」」」


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