161.全て私のもの!
私はドワーフたちを救ったことで、報酬として、魔銀鉱山をまるっとひとつゲットしたのだった……!
「主殿! 魔銀を回収してくるでござるっよ! 拙者、体力に自信ありでござるからな!」
火竜人のトーカちゃんが、ツルハシ片手に、やる気満々にそういう。
「最近主殿のお役に立ててなかったから、頑張ってはたらくでござる!」
「だ、だふねもがんばる!」「…………!」
妹たちが私のためにやる気を出してくれてるわ。
うれいしけど……女の子にそんな肉体労働なんてさせられない。
「ということで、取り出したのはこの便利ポーション! 名付けて……収納ポーション!」
「「「しゅーのーぽーしょん?」」」
ダフネちゃん、スィちゃん、トーカちゃんと並び、娘のリーンフォースも首をかしげる。
あらかわ。
「この便利なポーションをですね、ちょろりと洞窟の前でたらします。するとあらふしぎ!」
水がどぱっ……! と吹き出して、それが魔銀の鉱山のなか、隅々まで行き渡っていく。
「……スライム状の液体ですね」
「そのとおり。スライムから着想を得てるのよ。この粘液にふれると、物体がとけて、液体の中にまざるのよ」
ずぞぞぞぞぉ、と液体が戻ってきて、ポーション瓶のなかにおさまる。
魔銀たっぷり!
「使いたいときに、こうやってちょろっとポーションを垂らすと……」
液体の中から、魔銀が取り出される、というわけだ。
「……すごいです。この広大な鉱山のなかの魔銀を、すべて回収してしまうなんて」
ゼニスちゃんは鑑定眼もちだからか、この鉱山にもう魔銀がのこっていないことがすぐわかったみたい。
「すごいのでござる!」「さすがお姉ちゃん!」「……ママはすごいっ」
いやいや、照れますなぁ。
すると一部始終見ていた、ロボメイドが一言。
「強欲で草」




