158.妹増える
スリュムとかいうバカを爆殺☆横ピース、した。
「ママ……ままぁ~……」
私の作ったホムンクルス、リーンフォースが抱きついてきた。
ママとか言うけど、外見年齢は向こうの方が上なのよね。
……とはいえ、娘であることは事実。
500年も育児放棄しちゃったのは、ちょっと……いや、だいぶ心が痛かった。
「ごめんね、ほっといてね」
「うん……」
よしよし、と頭を撫でてあげていると……。
つんつんつん、とバカメイドが私の腕をつついてきた。
「なんだよ」
「マスター、ワタシのときと反応が違うんですが。ワタシも500年くらい放置されてたのですが?」
「はぁ? あんたの親は私じゃあないでしょ」
このあほを作ったのは、バカ師匠じゃあないか。
私がママではないのである。
「しかし今はあなたも、ワタシのママでしょう?」
「だからなんだよ」
「もっとワタシにも、愛を! はぐを! よしよしなでなでを!」
「はー……うざ」
まじでウザい。
ちょーっと頼ったらすーぐこれ。
だからもういやなのよ、こいつに力を借りるの……。
そのときである。
「おねーちゃーん!」
ダフネちゃんをはじめとした、私のかわいい奴隷ちゃんズが、スリュムの部屋に入ってきた。
「おー! みんなごめんね、心配かけてね」
ダフネちゃんがそのまま抱きついてくる。
「ううん、おねえちゃんなら、どんな敵もぶったおすって、だふね信じてたのですー!」
「ま、嬉しいこと言うじゃあないの」
よすよす、と頭を撫でてあげる。
はえ? とダフネちゃんがリーンフォースに気づく。
「おねえちゃん、この子だぁれ?」
「私の娘」
後ろから、トーカちゃんとゼニスちゃんもやってきて……。
「「えええええええええええええええええええ!?」」
と叫んでいた。まあ事情を知らないと驚くわな。
「そっかー、じゃあだふねと家族だね!」
「家族……?」
「うん! だふね、おねえちゃんのいもーと、なので!」
リーンフォースが、ふにゃりと笑って言う。
「おねーちゃん……」
「はえ!? お、おねーちゃんだなんて……えへへ♡」
すると水精霊の、スィちゃんがぷくーっと頬を膨らませて、ダフネちゃんの耳を引っ張る。
「あいたた、すいちゃんも妹なのです! なのでなので、妹……ふたり!」
スィちゃんはまあゆるすか、みたいなスタンスのようだ。
リーンフォースは嬉しそうに、ダフネちゃんをお姉ちゃん扱して、甘えているわ。ほのぼの~。
「マスターマスター」
「あーはいはい、てっしゅーしますよー」
「ワタシのことはパパとお呼びくださっても良いですよ。ママでもいいです。タチでも猫でもどっちもいけるので」
「うるせえ木っ端みじんにするぞ?」
「あざっす!」
……やれやれ。ま、これにて一件落着ね。
さーてかえろかえーろ、おうちにかえろっと。




