156.天衣無縫の化物
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私は巨人王から、敵の攻撃を無効化する力をラーニングした。
そこから作り出した、新しい魔法ポーション……。
「名付けて、【天衣無縫ポーション】!」
「ネーミングださくて草」
「あによ? ご不満?」
「いえ、素敵な名前かと」
「嘘つくなっつの……ったく」
あんぐりと、口を開くスリュム。
「な、な!? あの人形女が、なぜ復活してるのだ!?」
私の隣には、魔導人形のシェルジュが完全な状態で立っていた。
さっきスリュムのアホが、ぶっ壊したはずだから、驚いてるのでしょうね。
「悪いけどこの女、無機物だから。錬金術でちょちょいっと治したわ」
修復ポーション使えば、無機物くらい一瞬で治る。
人間を組成させるよりもたやすいわ。
「マスター、ありがとうございます。直してくださり」
「お、おう……素直じゃないの」
「ええ、とてもうれしかったもので」
いつもだったら、直すのが遅いとか、私のこと好きじゃないから、とかめんどうなすねかたするとこだったのにね。
まあいいわ。
「じゃ、あとは片付けるだけね」
「承知いたしました」
じゃき、とシェルジュがストレージから、ありったけの火器を取り出す。
「ふ、ふん! 馬鹿が! 攻撃は当たらぬと……」
私はポーションの放り投げる。
「打て」
「ラジャー」
どがががががががががががが!
私の作った天衣無縫ポーションを、シェルジュの弾丸の雨が貫く。
あれは無効化の力を、無効化する。
それが銃弾に付与されたら?
答えは……。
「ひぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!」
スリュムの悲鳴があたりに響き渡る。
やつは身体中を蜂の巣にされて……最終的に、倒れた。
「お疲れシェルジュ。いい働きよ」
「ありがとうございます、マスター。愛してる? ねえ、愛してる?」
ずい、と顔を近づけてくるウザメイド。
「あーはいはい。すきすき」
「ふふふふ♡ 好き~♡」
はあ……うざ。
直すの間違いだったかしら、ったく。
「ま、ママ……」
「お、リーンフォース。大丈夫?」
私はかつて作り出した、人工生命のもとへと向かう。
手を差しのばすと、娘が手を取って、立ち上がった。
「ママ……! ままぁ!」
抱きついて、わんわんと泣いてるリーンフォース。
ちょっと放置し過ぎちゃったわよね。
なんか申し訳ないわ。
「ごめんね、来るの遅くなって」
「ううん、ママ……来てくれてうれしかった。ありがとう!」
ま、これで一件落着ね。
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タイトルは――
『田舎ぐらしの幻獣配信者~ブラック企業をクビになった俺、実家の山でドラゴンを拾ったのでペット配信したら大バズりし、超人気YouTuberとなる。今更会社に戻って広告塔やれと言われてもお断りです』
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