155.無効化の無効化
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巨神王スリュムをボコりに来た私。
向こうはこちらの攻撃を、無効化するっていう妙なスキルを身に付けていた。
私は敵のスキルを解析、それを自分のものにするポーションを作ったのである。
「ふざけやがって……! 死ねぇえ……!」
何度やっても相手の攻撃は、謎の力によって阻まれる。
攻撃の意思をキャンセルするというスキルだったのだ。
「それじゃ……こっちのターンね」
私は上級ポーションをストレージから取り出す。
爆裂ポーション。
投げた文字どおり爆発するというポーションだ。
ぽいっと放り投げる。
「バカが……! 効かぬといってる……」
ドガァアアアアアアアアアアアアン!
「うぎゃぁああああああああああああああああああああ!」
スリュムが火だるまになって、その場で転がる。
おお、やっぱり効いたな。
「ば、馬鹿な……!? なぜ物理攻撃が通るのだ!?」
「物理って言うか、ポーションだけどね」
私は次々と爆裂ポーションを投げる。
攻撃が通る、通る、通る……。
「そんな……馬鹿な……げほ……神に攻撃は通じない……はず……」
「そのようね。私はそれを無効化して見せたのよ」
「無効化……だと……?」
無効化を再現できたのだから、その逆も可能だ。
つまり。
「無効化スキルを無効化したってわけよ」




