154.再現性
《セイSide》
私はシェルジュに時間稼ぎを任せていた。
そして彼女は見事にやり遂げたのである。
その身を、バラバラに砕かれても……だ。
……ったく、普段きしょい言動するくせに、こういうときはきっちり仕事すんだから。
「シェルジュ、目ざめな」
私は修復ポーションを、壊れたシェルジュの残骸にかける。
「よそ見とは余裕だな! 死ね……!」
スリュムが私に向かって攻撃をあてようとして……。
スカッ……!
「なっ!? ば、馬鹿な……!?」
やつは大変驚いていた。
多分攻撃が当てられなかったことよりも……。
「なぜ、おれと同じことができる!?」
たぶんそっちね、驚いてるのは。
このスリュムとかいうやつに、攻撃を当てようとすることができない。
それをどうにか解析して、ポーションを用いて再現したのだ。
「あんた程度にできることを、ニコラス・フラメルの弟子ができないとでも?」
「ニコラス……忌まわしき魔女のひとりか!」
魔女? ひとり……?
他にも居るような口ぶりだわ。
ま、どうでもいいけども。
「フラメル師匠の修行は、基本見稽古。一から十まで手取り足取りは教えてくれない。だから、私は再現が得意になったのよ」
見て、覚える。
私はこのスリュムの異常な性質すらも、見て、覚え……そしてポーションを使って再現して見せたのだ。
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タイトルは――
『最強【結界師】の気ままな新婚旅行〜弱すぎる味方に最強結界を施してたのに、自分が強くなったと勘違いした勇者に追放された。効果が永続じゃないと気づいても遅い、俺を溺愛してくれる幼馴染と旅してる』
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