153.鉄屑の役割
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
《シェルジュSide》
巨神王スリュムと抗戦してるシェルジュ。
彼女の役割は、時間を稼ぐこと。
そうすれば最愛の人が必ず勝利を約束してくれる。
シェルジュは銃弾の雨を降らしながら、時間を稼ぐ。
「こしゃくな……!」
AIによる学習によって、敵の攻撃パターンは解析済み。
スリュムの強烈な一撃をなんなく見切ることができる。
だが、見切ることができるのと、回避できることは別だ。
頭脳のスペックで勝っていても、肉体のスペックでは負けている。
スリュムが繰り出す連打を避け続けていたのだが……。
ばきぃい……!
ただ、少しかすっただけで、彼女の右腕が粉砕された。
「どうだ!?」
「だからなんですか?」
片腕で銃弾を放つ。
壊れようが、砕けようが、自分には関係ないのだ。
自分はロボットだから。
シェルジュはありとあらゆる重火器をつかって敵に攻撃を……。
いな、フラストレーションを蓄積させていく。
「いい加減にしろ鉄くず女……!」
スリュムは腰を落とし、その拳に力を込める。
シェルジュでは観測できない、なにか強い力の波動を【感じる】。
それはセイ・ファートが作ったこの、限りなく人間に近い体だからこそ、感じ取れたもの。
殺気……というもの。
「震撼の一撃……!!!!!」
ばっ、とスリュムが地面に向かって拳を振り下ろす。
するとシェルジュの頭上から、凄まじプレッシャーを感じた。
彼女はそのとき、巨大な手を幻視する。
超巨大な手のひらがシェルジュを頭から押しつぶそうとする。
凄まじい負荷が体にかかる。
みしみし……ばきばき……と体が悲鳴を上げている。
だが……にやりとシェルジュが笑っていた。
「気色の悪い虫だ! 死ねぇ……!」
ぐしゃり……! とシェルジュが粉々に砕け散る。
ネジや、鉄くずが辺り一面に広がる。
完全なる勝利……だが。
「おまえの負けだ、馬鹿者が。鉄くず人形に気を取られすぎた」
不適に、そうシェルジュが言い放つ。
体が粉々にくだけちっても、声帯の役割をしていた装置が残っていた。
彼女の声には、信頼がこめられていた。
そして勝ちを確信する、勝利者の余裕さえ感じ取れた。
そう……なぜなら。
「ナイス、ロボメイド。良い働きよ」
自分の主、セイ・ファートが、準備を整えて【しまった】からだ。
「さぁ、今際の際だぞ巨神王。遺言を考えておくんだな」
シェルジュは実に楽しそうに、強敵にそういうのだった。
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『最強【結界師】の気ままな新婚旅行〜弱すぎる味方に最強結界を施してたのに、自分が強くなったと勘違いした勇者に追放された。効果が永続じゃないと気づいても遅い、俺を溺愛してくれる幼馴染と旅してる』
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