152.ポンコツメイドがんばる
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《シェルジュSide》
ロボメイドのシェルジュは、セイ・ファートの師匠、ニコラス・フラメルによって作られた。
人間に限りなく近い、人工的に生み出された生命だ。
シェルジュからすれば親であるフラメルのことを、憎く思っている。
あの女はシェルジュを作って直ぐに興味を失い、自分に構ってくれなかった。
さみしかった。
ロボだが、感情が確かにあるのだ。それをわかったうえで、あのフラメルという人物は自分をほっといたのだ。
さみしい思いをしている自分を、慰めてくれたのはセイであった。
向こうにその気があったのかは不明だが、セイのおかげで、自分は孤独を癒やすことができた。
今では大好きな人と一緒に旅ができている。
このままずっとそばにいたい。
「だから……あなたを排除させてもらいますよ、スリュム」
じゃきっ、と両手に高火力の機関銃を装備する。
ストレージ内にはまだまだたくさんの武器が貯蔵されているのだ。
「はっ! 無駄だというのがわからぬのか?」
「ええ、わかっておりますよ」
この神とやらに通常の攻撃は当たらない。
シェルジュがいくら銃弾の雨を降らせても無駄だろう。
だが、それでいいのだ。
「とどめは女神が直々にくだしてくれますので」
「だれが神だ、神はわしだ!」
一瞬でスリュムが近づく。
その動きをシュルジュの高性能カメラ(目)は捕らえている。
岩をも砕く拳がシェルジュを襲う。
だがそれを体をひねって、シェルジュが避けた。
「なんだと!?」
「そのパターンは解析済みです」
至近距離から機関銃を射出する。
ずがががががががっ!
「あなたの動きはすでに学習済みです」
セイのおかげだ。
彼女が戦ってる姿を、自分に共有してくれたからだ。
そこから敵の攻撃パターン、そしてこちら側の回避パターンを学習したのである。
「厄介なぼろ人形だな!」
スリュムにダメージはない。
だがそれでいいのだ。
「ぼろ人形ではない。ワタシはシェルジュ、偉大なる錬金術師、セイ・ファートさまの門下がひとり」
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タイトルは――
『最強壁役が実は世界最強の剣士だった件〜味方のダメージを全て肩代わりしてたのに、無知な勇者に「壁役は不要」と追い出された俺、剣士に転職し大成する。勇者パーティは優秀な盾を失い崩壊する』
ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
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