146.窮地
セイの生み出したホムンクルス、リーンフォース。
彼女を捕縛した巨神王スリュムは、彼女の攻撃を受けてダメージを負った。
「おかしいな。結界に攻撃の力は無かったはずだが……?」
巨神王はリーンフォースをよく見る。
すると彼女の周囲に、六角形の小さな光の板が浮いてる。
アレが集合することで結界を構築していた。
しかしその光の板が今は、回転しながら浮いてる。
「なるほど……読めたぞ」
しゅばっ! とすごい勢いで光の板が回転射出される。
スリュムが腕を伸ばすと、その腕を結界が吹き飛ばした。
「結界を板のように薄くのばし、そうやって投擲することで攻撃してたのか。風刃のようように」
風の魔法に、刃を飛ばす魔法がある。
それと似たような物だ。
無数にある結界を、リーンフォースは次々と射出。
スリュムはそれを避けて見せるが、あまりに数が多く、いくつかもらってしまう。
手足がもがれて、その場に倒れ……なかった。
「残念」
いつの間にか切り刻んだはずの手足が元通りになっていた。
「わしに通常の攻撃はきかんのでな……!」
スリュムは拳を振り上げて、思い切り振る。
かなり距離があったはずなのだが……。
いきなり身体に衝撃が走った。
まるで、巨大な隕石の直撃を受けたかのように、彼女は背後に吹っ飛ばされる。
「あの一瞬で結界を構築するか。が……少々強度が足りなかったようだな」
リーンフォースは結界で防ごうとしたのだが、敵の攻撃があまりに早くて、間に合わなかったのである。
「がはっ! げほげほ!」
リーンフォースはその場に崩れ落ちる。
ふぅ……とスリュムは失望したような表情で、倒れている彼女を見下す。
「その程度か。所詮は」
「…………」
その程度、といわれたことが悔しかった。
セイはすごいのだ。
しかし自分が負けることで、創造主であるセイが馬鹿にされるのは嫌だった。
「まあいい。もう底は見えた。死ね」
と、彼はまたしても、謎の攻撃をリーンフォースに当てようとした……そのときだ。
ばこん! という強い衝撃とともに彼が吹っ飛んでいく。
「! あなたは……!」
リーンフォースの顔にはじめて表情が浮かぶ。
それは……歓喜の笑みだ。
「お母様!」
そこにいたのは、リーンフォースの創造主、セイ・ファートご本人であった。
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