141.結界のリーンフォース
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
セイが国内のトロルを倒していってる、一方そのころ。
天導教会の大聖女、リーンフォースはというと……。
大雪の中、とも連れず、ひたすらに歩いていた。
彼女が目指すのは、創造主であるセイ・ファートのもと。
しかし、リーンフォースの邪魔をするものが、目の前に現れたのだ。
「こいつか?」「ああ、たぶん」「人間の女って巨神さまはおっしゃってた」
3体のトロルが、彼女を取り囲む。
しかし、リーンフォースは彼らの間をすり抜けていく。
まるで目の前にいないかのような振る舞いに、トロルたちはいきり立つ。
「な、なんだおめえ! むしすんじゃあねえ!」
トロルがその大きな手を、リーンフォースに近づける。
だが、手が思い切りはじかれたのだ。
「な、なんだぁ?」
手が恐ろしい勢いではじきとばされ、トロルがしりもちをつく。
トンを超える重量を誇る、トロルが、である。
「や、やべえぞ」「こ、こいつなんかへん!」「みろ! ばりあだ!」
リーンフォースの周りには、六角形の板が無数に浮かんでいる。
これはセイ・ファートが彼女に組み込んだ、結界の術式。
あらゆるものを阻む、最強の盾を、リーンフォースは無意識に展開してる。
身を守る、という意識が彼女にはない。
体が壊される、と感知した瞬間、自動で展開されるよう組み込まれてるのだ。
リーンフォースはホムンクルス。
人間ではない。
ゆえに、人間ではない能力を発揮できる。
セイは、三人いるホムンクルスそれぞれに固有の力を与えた。
リーンフォースは結界の力をもらってる。
世界最高の錬金術師が付与した、世界最高の盾。
トロルごときに、割れるはずがないのだ。
「くそ!」「ちきしょう!」「やっちまえ!」
トロルが囲って、一斉に殴り掛かるも、だめ。
物理攻撃は完全にはじき返されてしまうのだ。
しかも、倍の力で。
気づけば、リーンフォースの周りには、腕を怪我したトロルたちが倒れていた。
しかし倒れ伏すトロルたちに、彼女は一瞥もくれない。
まるで、路傍の石としか思っていないようだ。
その通り。
彼女にとって一番のことは、母であるセイ・ファートと再会すること。
それ以外のことは、本当にどうでもいいと思ってるのである。
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『迷宮の聖女は魔物達から溺愛されてる~追放された私、奈落の森に捨てられるも、神に祈りを捧げていたら、いつの間にかそこが聖域化していた「国が亡びるからと王子が君を連れ戻しに来たけど撃退しといた」』
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