139.大聖女リーンフォース、到着
セイ・ファートがドワーフの国を救っていく……一方。
セイが立ち去った街に、一人の美しい、聖女が舞い降りた。
「…………」
どこか人形めいた美貌を持つ女だ。
天導教会の聖女が着る、法衣に身を包んでいる。
「おや、あんたは……?」
入口で、荷物を担いでいたドワーフが、女に問いかける。
「リーンフォース……」
「りーんふぉーす……って! 天導の大聖女じゃねえか! どうしてそんな重要人物がここに……?」
大聖女リーンフォースは周囲を見渡す。
「母の……」
「は、はは……?」
「母の気配がする。母を知ってる?」
「母……いいや、あんたのようなでっかい姉ちゃんの、お母さんはしらねーよ」
ずい、とリーンフォースが顔を近づける。
「嘘。だって……母の気配がする。温かい……魔力を感じる……」
「魔力……まさかと思うが、聖女さまのことじゃあねえよな?」
「聖女……?」
「ああ、綺麗な人でよ。奇跡のポーションでたちどころに、おれらのことを癒やしてくださった……」
述懐するように、ドワーフが目を細める。
リーンフォースは、ドワーフの額に、自分の額を重ねた。
「う、うぉお! な、なんだァ……!?」
驚くドワーフをよそに、リーンフォースは得心がいったようにうなずいた。
「母だ」
「え、ええ!? じゃ、じゃあ……あんたが聖女さまの娘!? あんな若い嬢ちゃんが、こんなでっかい人間の嬢ちゃんを産むなんて、おかしくないか……?」
ふるふる、とリーンフォースが首を振る。
「私は、人間じゃない」
「は!?」
それだけ言うと、リーンフォースはニサラキの街を去って行く。
目指すは、母のもと。
母……セイ・ファートのもとへと、リーンフォースは向かうのだった。
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