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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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138.釣り



 ニサラキの街を出た私たちは、雪の降る道の中をずんずんと進んでいった。

 テテロロに道案内させて、街へと到着。

 そこでシェルジュ爆撃、からの私の治癒のコンボにより、トロルどもを一掃。

 街の人たちから感謝される、からの次の街へ。


「まるでミトのコーモンさまですね。マスター」


 地竜のちーちゃんを操っているのは、ロボメイドのシェルジュ。

 御者台に座っている彼女に私は言う。


「なにが肛門だって?」

「お下品です」

「おいこらおまえが言ったんでしょうが」

「いってまーすん」

 

 うっざ……。

 私は荷台で暖を取りながら、ポーションをせっせこと作る。


「マスター。さみしい」

「ダフネちゃーん。ロボが話し相手ほしいってー」

「はいなのでーす!」


 一緒にポーション作り手伝っていた、うさ耳妹のダフネちゃんが勢いよく立つ。

 そして御者台にぴょんと飛び乗って、隣のシェルジュに笑顔を向ける。

 うーむ、ピュアスマイルダフネちゃんべりーびゅーちほ。


「マスター。ウサギでは無くマスターを所望します」

「あ? てめダフネちゃんじゃ不十分なのか? お?」


 ダフネちゃんは拒まれても、シェルジュの腰に抱きついてる。

 ほんと人なつっこいんだから……。素敵!


「ところでマスター。このたびはいつまで続けるのですか?」

「釣れるまでよ」

「ほう……なるほど」


 シェルジュのアホはアホだけど、付き合いが長いから、私の言いたいことをなんとなく察してくれるのよね。

 一方でダフネちゃんが、困惑してるようだ。


「釣りっていうのは、敵をおびき寄せるってことよ」

「おびきよせる?」

「そ。こんだけ派手にドンパチやってりゃ、向こうから来るでしょ」


 ずどおおん! という大きな音とともに、雪が舞う。


「ほら、釣れた」



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