137.旅立つ
私たちは、トロルによって支配されていたドワーフの街を救出した。
ニサラキの街を完全に修復したあと……。
「で? 親玉はどこにいるの?」
直ったドワーフの建物の中にて。
このニサラキの街の長に話を聞く。
町長のドワーフは重々しく口を開く。
「カイ、の街におりますじゃ」
「OK。じゃ」
私はさっさとカイの街へ行こうとする。
「お、おまちくだされ! トロルの背後には」
「魔神だっけ?」
「そうですじゃ。魔神がおります。聖女さまが行っても、殺されてしまいます……」
なるほど。
私が非力な女だと思っているらしい。
「問題ないわ。頼れる仲間がいるものね」
まあ別に魔神だろうと、恐いとは思っていない。
なんとかなるっしょ、今まで何体もやっつけてるし。
「どやぁ……」
ロボメイドがどや顔で胸を張る。
おまえ自分でどやのな、むかつくわー。
「主殿は、我ら妹たちが守りますぞ!」
トーカちゃん、ゼニスちゃん、ダフネちゃん、そしてスィちゃん。
可愛い子らが私を守ろうとする。
あらまあかわいい。
「つーわけで、さっさと案内して」
「うう……うぉおおお! ありがとうございます! 我らドワーフのために!」
……まあ別にドワーフの訳じゃない。
トロルのくそどもが、ドワーフを奴隷扱いするからだ。
私も昔は社畜としていじめられてたからな。
だから……境遇がだぶって、ほっとけなかっただけだし。
「さ、れっつらごんよ」
「「「れっつらー!」」」
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