135.聖女の水
トロルどもに占拠されていた街、ニサラキに襲撃をかけた私たち。
「マスター。トロルどもを一人残さずッヒャッハーしてきました」
ロボメイドが私たちの元へ戻ってくる。
その顔は、目がキラッキラしてて、もう、わっくわくのうっきうきだ。
わー……めんど。
ねぎらってもらいたい感すごいんですけど……。
「ヒャッハーしてきました!」
「はいはい、偉い偉い」
あまりにうざかったので、おざなりに褒めてあげた。
「ひゃっはー!」
そんだけでもう、喜色満面。
どんだけやっすいのよ、こいつの自尊心……。たく。
「さ、あとは怪我人と壊れた街の修復ね」
「し、しかし聖女さま」
ドワーフのテテロロが恐る恐る聞いてくる。
聖女じゃないんだが……まあ今はおいとく。めんどいし。
「街は壊滅状態、怪我人も多数。ポーションが足りるのですか?」
まあ確かにポーションをゼロから作ると、手間暇かかるからな。
「問題なっしん。こっちにゃスィちゃんいるし。んじゃ、行くわよみんな~」
「「「はーい!」」」
ぞろぞろと私たちは壊れた街へ入っていく。
一面焼け野原だ。
まーこうなるわな。
「まとめてやるわよ。スィちゃん、かもーん」
「……!」びしっ!
水精霊のスィちゃんが、私に近づいてくる。
私はストレージから、あらかじめつくっといた、魔法ポーションを取り出す。
「はいこれ、スィちゃん飲んで」
私はポーションをスィちゃんに手渡す。
んぐんぐ、と彼女が飲んだあと……。
凄い笑顔になった。
「おいし?」
「…………」こくこくっ。
ダフネちゃんが、「こんな美味しいお薬はじめてですー! だそうです!」と通訳してくれる。
ダフネちゃんいろんな生き物の声が聞こえるのよね。すごい。
「で、スィちゃん。そのまま街全体にシャワーをあびせるかんじで、水をまいてくれる?」
こくんとうなずき、スィちゃんが手から水を放出。
ぱたたたっ、と雨が周囲に降り注ぐと……。
「!? こりゃあすごい! 壊れた街が元通りになっていくぜ!!!!」
うん、ちゃんときいてるみたいね。
「聖女さま、こりゃあいったい?」
「私はスィちゃんに飲ませたのは、遡行ポーション。壊れた無機物を壊れる前にするポーションよ」
「し、しかし……それとこの雨はどういう関係が?」
私はスィちゃんの頭をなでる。
「水精霊は、体が水でできている。飲んだ飲み物の性質を取り込んで、体質を変える」
「なるほど……ポーションを飲ませたことで、体をポーションに変えた。あとは、嬢ちゃんに体のなかのポーションを使って雨を降らせたってわけか」
そういうことだ。
「す、すげえ……ポーションもすげえが、精霊の性質をそこまで理解し、応用するなんて……誰にもできるわけじゃないぜ」
「うむ! 当然だ! 主殿はすごいんだぞー!」
いやはや、トーカちゃんに褒められると照れますな。
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