131.パワハラは許さねえ!
私たちがドワーフを街へ送り届ける途中、トロルという化け物が襲ってきた。
トロル。
巨人とも言う。
身長は2~3メートルくらいかしら。
お腹が出っぷりと出ていて、頭ははげて、耳が尖っている。
亜人型モンスターだ。
「……セイ様、おかしいです。トロルは通常、洞窟の中でくらしてるはずです」
「なるほど……それはおかしいわね」
なんでこんなクソ寒いなか、出歩いてるんだって話よね。
「ち、ちびすけ……に、逃げるな!」
トロルが雪玉を持ち上げて、それを固めて、ドワーフめがけて投げつける。
シェルジュの銃じゃ打ち落とせないわね。
しかたない。
私は爆裂ポーションをぶん投げる。
空中で雪玉が一瞬で消える。
「さすが主殿! 見事な腕前!」
「マスターが人助けなんて珍しいですね。さすが聖女さま」
あ? ケンカ売ってるのかしら?
私がシェルジュを見やると、つんっ、とシェルジュがそっぽを向く。
まったくいつまで拗ねてるのよ……ったく。
「別に人助けじゃ無いわ。ただ……不快なのよ。そいつの目が」
トロルは、私たちを見下している。
特にドワーフに対しては、まるで虫けらでも見るかのように、さげすんだ目を向けている。
私はあの目を知ってる。
宮廷で働いてとき、私をいじめたパワハラクソ上司と、同じ目だ。
「じゃ、じゃまするな……ちび。お、おでがようじあるの、そっちの髭もじゃちびだ」
どうやらドワーフに用事がある様子。
「このドワーフがなにか、あなたに悪さをしたの?」
ぷくく、とトロルのやつが嘲笑を浮かべる。
あ……だめ。きれそう。
「ち、ちびはおでたちの、ど、どれいだ!」
「はい、死刑」
私は爆裂ポーションを素早く投げる。
トロルは、反応できずに爆発の直撃を受けて倒れる。
「ったく……なーにが奴隷じゃぼけ!」
奴隷として売買されてないやつを、奴隷扱いするんじゃあないわよ!
ったく……。
「おお、ありがとうございます! 聖女さま!」
ドワーフのやつが涙を流しながら、私の前で跪く。
「どうか、我らをこのままお救いください!」
我ら……かあ……。
なーんか厄介ごとに、巻き込まれた感じ?
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