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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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124/215

124.寒いなら



 私ことセイ・ファートは、氷雪の国カイ・パゴスへと上陸した。

 パシリ一号ことトリトンから降りた私たちだったのだけど……。


「さんむ……」


 上陸した瞬間に猛吹雪が我々を襲ったのよ。

 目の前が真っ白になるレベルの猛吹雪ね。


「さ。さむぃのですぅ~……」


 ガタガタ震えるダフネちゃん&スィちゃんの妹コンビ。

 ゼニスちゃんも肌をこすり合わせている。

 

 トーカちゃんは……。


「ちーん……」

「トーカちゃん! 起きて! 寝たら死ぬわよ!?」


 いかん、トーカちゃん元がトカゲだからか、この急激な体温下降で冬眠の準備に入ったんだわ。


「そんなあなたに、加温ヒートポーション!」


 飲めば体の中からぽかぽかするお薬よ。

 私はトーカちゃんの口にポーション瓶をツッコむ。

 すると……。


「む! ふっかーつ!」

「「「トーカちゃん!」」」


 冬眠の態勢からいってんして、トーカちゃんが元気もりもりの状態で復活したわ。

 ふぅ……よかった。


 私は全員分の加温ポーションを配る。


「…………」

「シェルジュはいらないわよね」

「つーん」


 ロボだから要らないだろうと思っていったのだが。

 こいつまた無視しやがった。まったく、いつまで拗ねてるのやら……。

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