121.氷の国へ
私の名前はセイ・ファート。
こないだは竜王国スカイ・フォシワってところにいってきた。
観光のつもりだったんだけど、ドラゴンにからまれるわ、魔神にからまれるわでもううんざり。
あげく、ドラゴン王子から求婚されて、それが嫌だったので逃げてきた次第。
「人気者って辛いわー」
現在、私たちはパシリ1号こと魔神トリトンを船に変形させて、クルージングしている。
甲板で日光浴する私。
ばさばさ、と団扇を仰いでくれる、奴隷ちゃんのダフネちゃんと、水精霊のスィちゃん。
「うんしょー、うんしょー!」
「…………」ばっさばっさ。
ふぉふぉふぉ、風が心地よい。やっぱり船旅はいいわー。うるさいのがいないし。
「ありがとう、二人とも。もう大丈夫だから、一緒にトロピカルジュースのみましょう?」
私が配合して作った、ちょー栄養豊富、ビタミンましましのドリンクだ。
これ飲めばお肌つやっつやのやーつ。
「いえ! おねえちゃんは、こないだすっごくすっごく頑張りました! なのでなので、だふねはおねーちゃんをいたわるのです!」
んま、なんて良い子なのかしら。
かわいくて良い子。
「…………」
「なによ? シェルジュ」
ロボメイドが頬を膨らませた状態で、私の隣にたたずんでいる。
ぷいーっとそっぽを向く。あ、そ。
「…………」
「なによ、べしべし叩くな」
ぷいーっ、とそっぽを向くシェルジュ。
はー……うざ。
こいつ、空に放置して帰ってから、ずっとこうだ。
不機嫌なのは見てわかるけど、絡んでくる。うざくてしょうがない。
「ところで、次の目的地なんだけど、どこがいいかしら。静かなとこがいいんだけどー」
エルフ奴隷のゼニスちゃんが、おしぼりを持って現われる
私の額の汗を拭きながら提言する。
「セイ様。でしたら、カイ・パゴスなどはどうでしょう?」
「カイ・パゴス?」
「はい。氷雪の国と呼ばれる場所で、厳しい環境のため、あまり人が訪れないと聞きます」
それで。いいじゃん。人が居ない国で、今度こそ観光するのだ!
「よーし、じゃあパシリ1号! カイ・パゴスへ、ゴー!」
『いえっさー!』
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