117.求婚されるが秒で断る
私ことセイ・ファートは、魔神をぶっ殺して、天空城をゲットした。
正確に言えば、天空城を構成していた、飛行石っていうちょーレアイテムね。
なかなか手に入らないレア素材を、あんな雑魚ぶっ飛ばしただけで入手できるんて!
さてっと。
「テキトーに観光して、かえりましょうかね」
「「「おー!」」」
私たちがいるのは、竜王都ナザカってとこ。
奴隷ちゃんズ+スィちゃん、そこにロボメイドのシェルジュ、そしてパシリ2号ヴィーヴル。全員集合状態。
元はと言えばお空の観光にきたのだけど、気づけば全然見てなかったわー。
ま、面倒ごとは片付いたし、あとはのんびり観光だーい。
……と思っていたのだがけども。
『聖女さま……!』
私の前にデカい竜が跪く。
こいつは竜王子カイルーン。竜王国スカイ・フォシワの番人もやってた、王の息子。
「なに?」
ぱぁ……! とカイルーンの体が輝くと……。
「わぁ!」「おお、イケメンでござるな」「…………」「男がなんですか。女同士の方がお互い体の気持ちいいとこ知ってるんですから。ねえマスター?」
馬鹿メイドは無視して、カイルーンに問いかける。
「その人間の姿は、なに?」
「あなたの伴侶になるのなら、この体のサイズの方がよいか」
「はぁ…………? はんりょ?」
カイルーンはイケメンの姿でひざまづいて、私に手を差し出していう。
「どうか、私のつがいとなってください!」
つがい。結婚相手。伴侶。ふむ……。
「嫌です」




