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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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115.空の女王



 竜王子カイルーンは、セイ・ファートの帰りを、竜王都にて待っていた。


『セイ様は大丈夫でしょうか……』


 不安がっているのは、しかしカイルーンだけだった。

 奴隷たち、そしてロボメイドのシェルジュはいつも通りに過ごしている。


「お姉ちゃん、そろそろかえってくるかなぁ~?」


 ラビ族のダフネが、火竜人のトーカとあやとりしながら待っている。スイはダフネたちのやりとりを見つめていた。

 エルフ族のゼニスは、彼女たちの旅の仲間である、地竜のちーちゃんのブラッシングをしていた。


「……もう少しかかるでしょう」「ぐわー! がー!」


 落ち着きを払う奴隷たち。

 しかし一方で……。


「あばば、マスターあばばば帰りが遅いあばばばばば!」


 仰向けになって白目をむいてるロボメイドシェルジュ。


「だ、大丈夫かおまえ……?」

「ワタシはゴシュジニウムを摂取しないと死んでしまうのです……」

「なんだその、ゴシュジニウムって……?」

「ご主人様から発せられるフェロモンです」


 なるほど、わからん、とカイルーンがあきれていたそのときだ。

 ぴくん! とダフネの耳が立った。


「きた!」


 見上げるとそこにはどこまでも広がある青い空。

 そして……。


「!? 天空城がない!?」


 遥か天上にあった、竜たちの城、天空城が消滅していた。そして、うだるような暑さもなくなっている。


「うぉおおい! みんなー!」


 大きな袋を抱えて、竜の背に乗る女が一名。


「「「せいさまー!」」」


 ……信じられない。あの人間は、魔神を倒したというのか!?

 驚愕するカイルーン。


 竜の誰もが挑んでも勝てなかった相手を、あの少女は倒して見せた。


空の女王(スカイ・クイーン)の、再来だ……」


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