109.焼きドラゴン
私は舎弟2号にのって、天空の城を目指してる。
城の中に魔神とか言うわけわからん敵がいて、そこを占拠しているらしい。
そいつがいたら、私が城を構成する飛行石を回収できない、ってことでカチコミかけている次第。
さて。
炎の魔神による、火の鳥攻撃は舎弟が払って対処できた。
『こ、これくらいなら自分で勝てそうっす……!』
「ほーん……じゃああれもなんとかして」
舎弟2号ことヴィーヴルの背中に乗る私は、前方を指さす。
さっき2号に攻撃してきた炎の鳥たちが集まって、一つの巨大な鳥へと変貌を遂げた。
熱波が比べものにならない。
雲は蒸発し、2号のうろこも熱で溶け出してる。
『うぎゃぁああああああ! しぬぅうううう! あれまともに食らったらしぬっすぅうううううううううう!』
「私は適応ポーション飲んでるから平気だけどね」
『殺生な! 可愛い舎弟を見殺しにするんすかぁ!?』
私にとって可愛いのは奴隷ちゃんズとシェルジュだけなんだけど……ま、いっか。
私は氷結ポーションを取り出す。
『うぎゃああああああ! くるっすよぉおおおおおおおおおお!』
くそでか火の鳥がこっちにやってくる。
ドラゴンが焼きドラゴンになりかける。
私は空中に氷結ポーションをぶん投げる。
熱で瓶が溶けて、中身が出る。
ガキィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!
『は、はえ……? ひ、火の鳥が……かちかちっす』
見かけ倒しね、あんなでかい図体してて、この程度で固まるなんてね。
『す、すげえこの人……』
「邪魔者は消えたわ。さぁいけ。さっさといけ。さくっと回収よ!」




