107.レッツゴー天空城
私ことセイ・ファートは、飛行石を回収するために天空城へ行くことになった。
ついでに城を占拠してる魔神をボコりにいくぞ。
「じゃ、奴隷ちゃんズは、待機しててね」
私の隣には、馬鹿でかいドラゴン。
こいつは邪神竜ヴィーヴル。魔神の一角で、私の舎弟2号。
「わかったのですっ! お姉ちゃん……ふぁいとー!」
「…………」おー!
癒やし担当のダフネちゃんスィちゃんが、私を応援してくれる。
前は結構、あぶないなぁとか、心配だなぁとか言ってきたけども。
「お姉ちゃんつよつよだもんね!」
「…………」ねー。
ということで、私の力を信じてくれる、素直で可愛い子に成長してくれましたのよ。
はー、かわよ。
「トーカちゃん、ゼニスちゃん、癒やし担当ツイン妹たちをよろしくね」
「うむ! わかったぞ! 主殿!」
「……お気をつけて」
武力担当のトーカちゃん、魔法担当のゼニスちゃんも、まあそこそこ強いので、まあ大丈夫でしょう。
「では参りましょうかマスター」
「ちょい待てロボメイド」
私はシェルジュの襟首をつかむ。
「何するんですか。おえってなりましたよ、おえって」
「あんたロボでしょ。ここに居残り」
「ほわい?」
両手を広げるアホメイド。
「あんたロボ。熱に弱い。OK?」
「なるほど、わかりました」
「よろしい」
「では参りましょう」
「CPUバグってるの?」
ついてきちゃあかんって言ってるのにこの馬鹿は……。
「あんた居残り。今回のは、あんたと相性が悪いわ」
「嫌です嫌です」
ロボのやつは、地面に仰向けに寝てジタバタと手足をばたつかせる。
無表情のままやるもんだから、シュール。
「マスターとお供するんですー」
「いいから居残り」
「いやだー」
「あんたが壊れたら、困るでしょ」
ぴたっ、とシェルジュが暴れるのを辞める。
「今なんと?」
「あんたがぶっ壊れたら直すのクソめんどいから、待ってろっつったの」
するとシェルジュが立ち上がって、にやっと笑う。
「照れ屋さん」
「は?」
「私がいなくなったら、悲しくて泣いちゃう~。ってことでしょ?」
「さ、いくわよー舎弟2号~」
くそうざめんどくさかったので、シェルジュを置いてく。
まあ悲しいけども。調子乗るとうざいので、無視。
「シェルジュ。奴隷ちゃんズに何かあったらあんたを空から突き落とすから」
「かしこまりました。全霊をかけて、マスターの命令を遂行してみます」
ま、この馬鹿は馬鹿だけど、まあ役に立つ馬鹿なので、何があっても大丈夫でしょう。
馬鹿だけども。
「行くわよ2号」
「うう……自分も熱いのは嫌なんすけど……」
「あら、そ。じゃあ今ここで爆裂しとく?」
「いきまぁっしゅ!」




