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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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103.竜のすみか



 私、セイ・ファートは奴隷ちゃんズといっしょに遙か上空にやってきているのだが……。


「まじか、まじで、まじだ……!」

「どうしたのですか、マスター。ショウタイムでも始めそうなウキウキ顔ですが?」

「あれ見てみ、あれー!」


 私は御者台に起って、上空を指さす。

 翡翠色の大きな岩が、あちこちに浮いているではないか!


「飛行石よ! あんなに大きいの初めてだわ!」


 地上では絶無と行っていいほどとれない飛行石。

 ダンジョンで見つけた、手のひらに収まるサイズのそれが最大だと思っていたしかーし!


 空に浮かんでいるのは、明らかに人間と同じ……いや、それ以上の飛行石の山!


「うひゃー! 全部私のだー!」

「淑女がうひゃーなんて言わないでくださいマスター」

「あほぅ! あんなおっきいのがたっくさんのあるのよ!?」


 網もってこい網ぃ!


「って、んんぅ? なに、私の飛行石の上に、誰かいるわね」

「すでに自分の物になってて草。あれは竜ですね」


 じっと見つめると、たしかに飛行石の上に竜が寝そべってる。なんじゃあ?


『セイ様』

「うぉ、付いてきてるのかよ、カイルーン」


 竜王国スカイ・フォシワの門番、竜王子カイルーンが説明する。


『空に浮かぶあの鉱物は、神竜にとっての憩いの場なのです』

「休憩所的な?」

『その通りです。竜王国は王都に巨大な飛行石があり、その周りに小さな飛行石をともなって常に移動しております。竜達は普段空を飛んでいるのですが……』

「なるほど、ああやって岩の上に座ってたまに休むのね」

『ええ、ただ……今は事情があって、休む物も機会も多いのですが』


 ぴーよんぴーよん、厄介ごとセンサー、感度良好!

 厄介ごとの気配!


「さ、前に進みましょー」

「よろしいのです、なんか明らかに困ってそうですが」

「いいのよ。厄介ごとは勘弁なの。王都へ急ぐわよ、ちーちゃん!」


 ぐわー! とちーちゃんがなくと、荷台は先へと進むのだった。


『なるほど、小さな問題を解決しても根本的解決にはならず! ということですね、さすがです!』


 ……私何もしてないのに、なーんか勝手に感心されていた。なんじゃらほい。


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― 新着の感想 ―
[一言] 帰りのお土産は飛行石かな(笑)
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