101,日焼けイヤーん
【※おしらせ※】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
私ことセイ・ファートは竜王国に来ている。
観光名所をまわりたいため、竜王都ナザワへと向かう。
「それにしても、なんかまぶしいわね」
地竜のちーちゃんに荷台を引っ張ってもらいながら、私たちは王都を目指してる。
「まぶしーのですぅ」
ダフネちゃんとスイちゃんが目を細めている。
ゼニスちゃんも汗をかきながら、窓の外を見やる。
「……地上よりも遮るものがないからでしょうか、直射日光が直に来ますね。日に焼けてしまいそうです」
「そうでござるのか?」
火竜人のトーカちゃんは火に耐性があるので、あんまりわからないのだろう。
確かにかわいい奴隷ちゃんズのお肌が、少し焼けていた。
うーん、あらゆる環境に適応する、適応ポーション飲ませてるのに日に焼けるなんて。
空の上って、かなり日差しがきついのね。
「これは由々しき事態だわ。なんとかせねば」
「マスター、ワタシも日に焼けてやべえです」
「シェルジュ、ストレージ。預けてた素材を出せ」
「マスターがワタシをないがしろにする……」
ロボメイドのやつが三角座りして、がっくりと首を垂れている。
うぜえ。
「な、なんか不憫っすね……慰めなくていいんすか?」
パシリ2号ヴィーヴるが心配そうに尋ねてくる。
「甘いわね2号。見てみなさい」
ヴィーヴルがシェルジュの顔を覗き込む。
「ふ、ふふ、マスターにないがしろにされるのは、ワタシだけ。ワタシだけの権利……うふふ」
「愛がゆがんでるっす!」
変態メイドから素材を強奪して、私は新しいポーションを作成する。
「じゃーん、日焼け強化ポーション! これならどんな強い日差しでもへっちゃらだぜい」
クリーム状のそれをみんなに見せる。
「とゆーことで、ぬりぬりしていきましょうね~」
「「「はーい!」」」
奴隷ちゃんズが仲良く、お互いの肌にぬりぬりする。
「マスター! マスターにぬりぬりしたいです!」
「拙者も!」「だふねもー!」「わ、わたしも……」
おやおや、私の肌にみんなぬりぬりしたいみたい。
ふふ、人気者ね私!
しかし参ったわ、私の体は一つだけ。誰かに任せると角が立つ。
「2号」
「なんすか?」
「ぬって」
「なんで自分が……ふええ……わかったっすよぉ」
ヴィーヴルが逆らわずに、私の手足にぬりぬりしていく。
いやぁ、素直だなぁ。
「マスター、右手の爆裂ポーションが危ないです」
「しまっといて」
「かしこま」
ぬりぬりしおえると、日差しがかなり収まった。
「肌が痛くないのです!」「やはり主殿はすごいでござるなぁ!」「……すごい、売りに出せば、確実に大金が得られるのに」
でも私はそんなめんどっちいことはしない。
ポーションはあくまで、私と、近しいみんながその恩恵をあずかれれば、それでよいのだ。




