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第三十四話「食料探し2」

ピーヒョロロロ


ピーヒョロロロ


遠くから聞こえてくる鳥の鳴き声が、心地良い微睡まどろみに揺蕩たゆたっていた意識を白昼の現実へといざなう。


「よく寝た。」


寝そべって体を預けている枝から上半身を起こし、両手を挙げて伸びをする。


ああ、気持ちいい。


太陽の位置から考えると、今は正午過ぎだろうか。


そろそろ活動を再開しよう。






木登りをしてきた時と同じルートを辿って木から降り、地面に足をつける。


それでは、森を散策して今日のご飯を探して行こう。


「今日は何が食べられるかな。」


昨日と同じ幼虫500gでもいいのだが、せっかくの自然豊かな森なのだ。


できることなら、他にも食べられる物を見つけたい。






石ナイフを右手に持ち、木の幹に矢印を刻みながら森を進む。


食べられそうな物は、いまだ見つからない。


シダに混じって生える巨大なゼンマイなどは食べられるのかもしれないが、これを調理して食べられる状態にするには、ゼンマイを茹でるための水と灰汁抜き用の木炭、そして、火を通すための鍋の3つが必要となる。


今の僕には、この巨大なゼンマイを食べる用意が整っていないのだ。


もっとも、食べた所で毒物の可能性もあるのだが、こればかりは少量を食べて自分の体で実験をしていく他に方法が無い。


巨大なゼンマイを食べる実験は、食料に余裕がある時にやってみようかな。






しばらく森を進んで行くと、風と共に運ばれたわずかな異臭が鼻先をかすめた。


本能的に足を止めて風の吹いてきた方向を確認するが、深く茂った草葉と背の高い木々が見えるのみで異臭の発生源となるようなものは確認できない。


警戒をしながら、ゆっくりと風上へと移動する。


この本能的に警戒を誘発する臭いには、覚えがあったのだ。


腐敗臭である。


この腐敗臭の原因は見当たらないが、おそらくこの先に何らかの動物の死骸があるのだろう。


よし、何となく今日のご飯が分かってきたぞ。

【持ち物】

白い布

蔦の命綱

石槌

石ナイフ


【スキル】

木登りLv.1

崖登りLv.0

火おこしLv.1


【生産】

蔦の命綱

アカシアの防護柵

石槌

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