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第三十一話「石斧づくり?」

朝露を絞った苔は、岩の上に戻しておこう。


ちゃんと岩の上に戻しておけば、苔は枯れることなく生きて行けるのだ。


あと、着ている白い布も木の枝に干しておこう。


苔に溜まった朝露を絞り落として飲んでいたおかげで、着ていた白い布は朝露に濡れてびっしょりなのだ。






「よし、きれいに干せた。」


塗れた服は、水分が蒸発する際に熱を奪うことで体力を低下させる。


仕方ない。


布が乾くまでは、全裸で過ごそう。


幸い、登ったばかりの太陽が地上を少しずつ暖めている。






それでは、当初の目的に返って石斧づくりを再開しよう。


「枝を一本いただきます。」


森に生えた木の中から、適当な握り心地のものを一本折って採集する。


この枝は、石斧のグリップ部分に使う材料である。


「大体このくらいの長さかな。」


木から採集した枝を30cmくらいの長さに折り整え、斧として使いやすい長さに調整する。


グリップ部分は、これで完成。


簡単である。






続いて、石のナイフを作っていこう。


木の枝に斧刃となる石を嵌め込むための穴を開けるには、木の枝を掘るための石のナイフが必要なのだ。


岩山の麓で適当な石を一つ拾い、岩山の岩肌に打ち付けて適当に石の先端を尖らせてゆく。


カンカンカン


拾った石を4カ所ほど割って先端を尖らせれば、石のナイフの完成である。


鉄製のナイフと比べると決して鋭いとは言えない刃先だが、少しずつ木材を掘ることは可能だろう。


うん、これも簡単である。






それでは、できたばかりの石のナイフを使って、岩山で拾った石を嵌め込むための穴を開けていこう。


石のナイフを使って、木の枝の先端部分に刃を立てていく。


しかし、先端部を細く尖らしただけの石のやいばでは、木の枝に線のような傷を付けるのみである。


これでは、とても掘れているとは言い難い。


むむ、これは難しい。


少しずつ木の枝に傷がついていっているので時間を掛ければ掘れるのだろうが・・・。


うーん、これでは日が暮れてしまう。


「よし、石のナイフを作り直そう。レッツテイク2!」






石のナイフ1号の失敗を踏まえて、石のナイフ2号を作ってみた。


今回は、彫刻刀の平刀をイメージした逸品で、刃先に幅を持たせたタイプの石のナイフである。


それでは、木の枝の先端部分に穴を開けて行こう。


「うん、今回は掘れる。よかった。」


先ほどは木の枝に線のような傷しか付けられなかったのだが、今回は刃先に幅を持たせているのでしっかりと木の枝を掘ることができている。


彫って刻む刀と書いて彫刻刀。


彫ることを目的として作られた形状の道具。


「道具ってよく考えて作られていたんだなぁ。」


僕は、そんなことをしみじみと考えながら、ひたすらと掘った。






あれから3時間は掘っていただろうか。


まだ正午は来ていないものの、太陽の角度が高い。


そして、時間は掛かってしまったが、とうとう岩山で拾った石を嵌め込むための穴を開けることができた。


石のナイフ2号のおかげで木の枝に穴を開ける所までは簡単にできたのだが、岩山で拾った石が穴にピッタリと嵌まるように微調整をしていたら時間が掛かってしまったのだ。


それでは、岩山で拾った石を木の枝に開けた穴に嵌めてっと。


「よし、できた。」






木の枝をブンブンと降って、石が外れてしまわないかを確認する。


「大丈夫そうかな。」


石の先端が丸まっているので、今の状態では石斧では無く石槌ストーンハンマーである。






後は石を磨いて尖らせるだけで石斧が完成するのだが、磨くのは後にしよう。


ちょっと疲れたのだ。


休憩しよ、休憩。

【持ち物】

白い布

蔦の命綱

石槌(NEW)


【スキル】

木登りLv.1

崖登りLv.0

火おこしLv.1


【生産】

蔦の命綱

アカシアの防護柵

石槌(NEW)

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