第二十二話「森か荒野か」
それでは、適当な寝床を見繕って火おこしをして行こう。
「今日はどこで寝ようかな。」
選択肢は、森か荒野かの二択である。
岩山を寝床にするという選択肢は無い。
落石の危険があるからだ。
森を寝床にする場合は、適当な巨木を見繕って太い木の枝の上に寝床を作ることになる。
地上に寝床を作る場合、寝込みを肉食動物などの外的に襲われる危険があるのだ。
もちろん、焚火を行う場所は太い木の枝の上である。
太い木の枝の上に土や石を敷き詰めれば、寝床となっている木に燃え移ること無く、安全に焚火をすることが可能となるのだ。
加えて、森の中に自生している分厚い苔と巨大なシダの葉を採集すれば、苔のベッドとシダの葉の屋根を備えた立派な寝床にすることもできるだろう。
対して、この荒野を寝床にする場合は、ただっ広い荒野のど真ん中で眠ることになる。
荒野に生えた木は僕の胴回り程の太さしか無く、とても樹上を寝床にできる大きさでは無いのだ。
さりとて、ノーガードで荒野のど真ん中で眠るなど自殺行為と言えよう。
荒野を拠点として移動生活を営む原住民は、荒野を寝床にする場合、木の枝で寝床を囲うようにしてバリケードを作って夜間の安全を確保する。
「そういえば、バリケードになりそうなものがあったな。」
右手の人差し指には、トゲで突いた刺し傷に血の痕が残っている。
思い返せば、森の中にトゲの付いた枝は確認できなかった。
樹上で眠るという行為は、木に登れない外敵に対して有効であるが、木に登れる外敵に対しては無力である。
樹上の寝床とて100%安全では無いのだ。
あのトゲの付いた枝は、今ここで手に入れておこう。
ここでトゲの付いた枝を確保できれば、樹上を寝床にする場合でもバリケードとして使用することが可能である。
となると、今晩は荒野で眠ることになるのかな。
今からトゲのついた木の枝を集めるとなれば、日没までに森へと移動して寝床を見繕うような時間の猶予は無くなるのだ。
うん、今晩の寝床は荒野に確定である。
それでは、早速トゲの付いた枝を集めに行こう。
「今度は怪我をしないように気を付けるぞ。」
【持ち物】
白い布
蔦の命綱
木の枝×150
【スキル】
木登りLv.1
崖登りLv.0




