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第二十一話「枝集め」

荒野を進み、まばらに落ちている木の枝を拾って歩く。


「カラッカラだなぁ。」


荒野に落ちている木の枝からは水気が感じられず、思っていた以上に乾燥している。


あの湿潤な森に居た時は、これ程までに乾燥した木の枝が手に入ることなど露程つゆほども想像していなかった。


この木の枝ならば、きっと火おこしは簡単だろう。


うれしい。






右手で木の枝を拾い、拾った木の枝を左のわきに抱えて歩く。


「48、49、50本と。」


5歳児の肉体では、そろそろ木の枝を抱えて歩くのも限界である。


近場の適当な木の影に入り、集まった木の枝を一度地面に降ろす。


「焚火を一晩中燃やすのって、どのくらい木の枝が要るのかな。」


夜中に燃料となる木の枝が燃え尽きてしまえば、暗闇の中で木の枝を拾いに出かけることなど不可能である。


この木の枝は一旦ここに置いて、もう1、2セット集めて来よう。






「痛ッ」


木の枝を拾った指先に鋭い痛みが走り、思わず拾った木の枝を捨ててしまった。


落とした枝を見れば、薔薇よりも鋭く長い5cm程のトゲが生えている。


枝を拾う際に、木の枝に生えたトゲが指に刺さってしまったのだ。


右手の指先には、赤い血の雫が盛り上がっている。


「油断してたな。何事も無ければいいけど。」


傷口を介した細菌感染が起こったとしても、この地に治療の手段は無い。


指をペロリと舐めて周囲を見渡すと、先ほどの木の枝以外にも長いトゲの生えた木の枝がちらほらと落ちているのが確認できる。


「こういう木の枝も落ちているのか。この周辺エリアでの枝拾いは止めておこう。」






しばらく荒野を歩き回って、150本の木の枝が集まった。


「こんなものかな。」


日は傾いてきているもののまだ高く、日没までに2時間以上3時間未満といった所だろうか。


これで一晩持つと信じよう。


火おこしの準備完了である。

【持ち物】

白い布

蔦の命綱

木の枝×150


【スキル】

木登りLv.1

崖登りLv.0

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