第704話「転・瞳術関係のメンテナンス」
現実世界、西暦2037年11月10日16時05分。
多想世界、亜空間歴5分35秒、暦時空艦ヘリオ・レオ内部。
《亜空間サーバーと暦時空艦ヘリオ・レオを繋げました!》
「よし、これでオッケイっと……!」
天上院姫は亜空間サーバーと暦時空艦の時空を繋げた。
亜空間のゲームセンターでイレギュラーと今後の盤上の駒並べをする前に……。
ちょっとアクシデントが発生している、瞳術関係のメンテナンスをし始めるGM姫。
咲は姫に瞳術スキルについて、現状プレイングの確認をする。
「仮にさ、右目と左目でやれることが違ってたりするとさ、何が良いの?」
「視力ズレるからむしろ私達は両目で何かアクションしたほうが良いんじゃないか? 片目ずつ別々の力持ってたら現実世界の視力ズレちゃうよ、真似しちゃいけない」
下手に眼力100とか眼力150とか設定を組み込むと左右で誤差が生じて、現実世界の視力に良からぬ方向で影響することを危惧しての発言だった。
「だよね、左右の眼の位置が違うせいで色んな事が起こってる気がする……、てことは私は両目に能力を付加するタイプのほうが良いのかな?」
「まあ、もし。するのならな、でもノーマルの眼のほうが良いと思うぞ……?」
桃花先生なら〈メタな眼〉とか必要そうだが、咲には必要ない代物だし、性格や個性的にも合っていない代物だった。
「でもさ、両目の件って結局過去の絵画や物語に引っ張られてるって事だよね? それって良くない方向、マイナススパイラルじゃない? ……両目の件は過去に書いてきた副作用の感じが強いから、精霊回路みたいにコントロール出来るんじゃないかな?」
「ふむ、精霊回路による両目のコントロールねぇ。何をどうコントロールすれば良いんじゃ?」
「森のクマさんみたいな心眼とかが使いやすいのかな……?」
「太陽の眼とか月の眼とかも良いが、……コロコロ変わるのも使いづらそうだ。能力者は1人につき1個とかが解りやすいように、眼の能力は? アビリティ? 設定した種族みたいに、1人1個の方が良いかもしれない。あと片目づつ別々のスキルなのも準制限かな、マジでわけ解んなくなる、鏡とか手で持ち始めると尚更解んねーんだよ……アレ……。小説でも漫画でもアニメでも……」
という訳で、運営陣として〈瞳術関係のメンテナンス〉をワールドアナウンスとして流すGM姫だった――。
その上で、咲は確認の為に言質を取る。
「えっとさ、確認なんだけど。この世界、エレメンタルワールドで準制限食らってるものって。そのスキル〈学習〉と、今回の〈瞳術系〉だけだよね?」
「そうだな、ちなみに準制限は2つしか存在しないが、完璧な禁止、制限は〈死者を生き返らせてはならない〉とかかな……、まあグレーゾーンで明確なルールはないが……マナーだなマナー」
「おっけい、言質取りたかった」
咲は今現在の準制限2つと、禁止1つを再確認した。
《ワールドアナウンス、瞳術系のメンテナンスに修正が入りました。10分間のメンテナンス後、初期設定が変更されますのでご注意下さい》
名前◇瞳術関係のメンテナンス
希少◇R
分類◇スキル_準制限_特性
解説◇両目の瞳術スキルの件については、過去の絵画や物語に引っ張られていて、マイナススパイラル気味の副作用なので。運営側が準制限に指定。ゲーム的に【1人のアバターが最初に持てる瞳術スキルは両目で1種類まで】と制限する。これは、片目で別々の瞳術スキルを使用したり、更に鏡写しになると物語や表現が難解になるので、基本禁止とする。ただし、ルール違反・違法と解っていて使う分には問題ない。ゲーム初期プレイ時、設定選択出来る瞳術は4種類とする。そこを起点とし、物語・イベントなどから分岐・派生する。
ここでは特殊で強力な、瞳術スキルについては言及しない、あくまで初期設定の基準点を示しただけで、そこからどう物語を転がし、自分なりの瞳術を所有・発展させるかは個人の自由だからである。
失明・義眼の場合。左右の眼帯の場合は平気だが、本当に眼を失った場合、魔法などで眼を復活させる時、今まで強化してきた瞳術は失われ、これら4種類の最初に選択した、初期状態の〈元の眼〉に戻る。
【最初の4種類の眼】
〈普通の眼〉何の変哲もない普通の目、見えるものが観えて見えないものが観えない。特殊な効果は無く、変な心配をしなくて済む。基準値は、プレイヤーの視力そのものに依存し、アバターが直接それを反映する。
〈心の眼〉心や精神、神経、心理状態などが視える眼。心氣の力の流れを見ることが出来、観測したり追跡することが出来る。
〈技の眼〉技の予備動作などが良く視える眼。スキルを多用する時に、眼の疲れや疲労が軽減する、戦闘面や細かな作業の時に重宝する。
〈体の眼〉元々の種族が持っている身体能力に依存する眼。虫なら虫の眼、人間なら人間の眼、鷹なら鷹の眼、宇宙人なら宇宙人の眼など、生まれ持った宿命的依存度が高い目。




