第694話「起・大精霊シルフ・デルタストリーム」
プレイヤー専用、全体掲示板。
天上院咲、放課後クラブ、今現在歴2037年、第2の街雲の王国ピュリア。
【元滅種に対して攻撃力が無さ過ぎて、召喚術を強化するナウ】
桜愛夜鈴、四重奏、最未来歴3年、第2の街雲の王国ピュリア。
【相変わらずここ飛んでるねえ~、咲ちゃんの件はご愁傷さま】
信条戦空、四重奏、最古来歴3年、第2の街雲の王国ピュリア。
【まあ、何かあってもウチらがフォローしてやるから咲は召喚術の試練を頑張れ!】
湘南桃花、非理法権天、最未来歴1年、第1の街ライデン。
【何とかログイン出来たと思ったら。こっちはギルドの受付嬢の仕事と、脳筋漢ズの図書館作業がベストマッチ! しちゃって大変な事になってる~~!?!?】
天上院姫、放課後クラブ、今現在歴2037年、第2の街雲の王国ピュリア。
【お! 桃花先生ログイン出来たんだ! お疲れ様です~~~~!】
真城和季、最果ての軍勢、最古来歴1年、第1の街ライデン。
【こっちは今のところ異常なしだな、定期的に報告・連絡・相談は入れるつもりだぜ】
レジェンドマン、非理法権天、亜空間歴5分20秒、第6の街戦乱都市アスカ、第5休憩所、鈴の湯ガーデン。
【おい、ゲームマスターの天上院姫よ、俺達スーパーヒーロー達は何処でスタンバイしてたら良い? 一応一番守らなきゃいけない場所として鈴の湯ガーデンに居るが……】
天上院姫、放課後クラブ、今現在歴2037年、第2の街雲の王国ピュリア。
【あー、一応。第一次元滅種大戦の所にはその内行く予定なんじゃが、生憎うちのチームの戦闘力が弱すぎるんだよな……。最古来歴と今現在歴の間なのは解ってるが、場所も時代も特定できていない。ついでに四獣王ジゲンドンも、最古来歴2000年で発見して以降見つかってない。こっちも戦力準備とレベル上げは頑張るから、そっちも同じ感じで戦力準備とレベル上げやっててくれ。場所と時代が解ったらまた教える】
レジェンドマン、非理法権天、亜空間歴5分20秒、第6の街戦乱都市アスカ、第5休憩所、鈴の湯ガーデン。
【了解した、決戦の時には戦力と頭手数が居るもんな、こっちも準備しておく!】
不動武、最果ての軍勢、今現在歴2025年、第1の街ライデン。
【こちら不動武、目視で確認できる範囲では異常なし、軍勢全員に伝達送って】
真城和季、最果ての軍勢、最古来歴1年、第1の街ライデン。
【了解!】]
◇
現実世界、西暦2037年11月9日、20時00分。
多想世界、今現在歴2037年、第2の街雲の王国ピュリア、大転移門前。
空の景色は、青空と雲海で満たされていた。
咲はアセンブラくんと呼ぶのが呼びづらかったらしく、略称して愛称はアセンくんと呼ぶことにしていた。
「アセンくんは初めて来る場所だっけ?」
「あ、はい、初めてです、凄く雲クモとしてますね。ふわあ、風が優しく暖かくて気持ちいいや」
機械種であるアセンブラは感じられる限りの触覚・センサーで、風質を感じ取り、堪能していた。
感じからして、今はヒルドやフェイとはすれ違いになったようである。
姫にとっては懐かしいような、またかよ!? と思えば良いのか複雑な心持ちである。
「まーよくココ来るよな、もう何度目の浮遊城か解んねえよもう……」
ここで咲の戦闘力強化の旅が始まる。
で、精霊との交渉と言えばお約束のアレである。
「力を示せ! って感じにやっぱなるの?」
「じゃね? 知らんけど」
「今までのデータから分析しますと、元滅種では無いですから咲さんの攻撃は通りますね」
と、とりあえず情報を集めに前に歩き始めた。
街を散策し、ある程度の情報を得てから。
テクテクと歩いて目的地の〈精霊礼拝堂〉に来た。が、兵隊さんに止められた咲と姫とアセンくん。
「止まれ! 合言葉を言え!」
「ん? ……お姉ちゃん意味解る?」
「解るけど、えーまーココで止ってる暇はないし、さっさと言うか……」
そうして、姫はもったいぶらずに、何処で得た情報かは言わず、ただありのまま、心のままに、知っている言葉を紡ぐ。
「――託された思いは響き、命は風に抱かれ、行く。世界と世界を、繋ぐ風に。」
ゴオオン! と重い扉がゆっくりと開いた。
十字路を切って塞いでいた、左右の兵隊さん2人も武器を収めた。
精霊礼拝堂をゆっくりテクテクと歩いてゆく3人。
すると、眼の前には青年の男が後光と共に待っていた。
「……、よく来たな、小さき花よ。我は大精霊シルフ・デルタストリームである」
咲はその神々しさからちょっと萎縮する、まるで目上の人にお願いするように。しかして元気に言う。
「こんにちわ! 天上院咲です! 簡単に言うとあなたを召喚したいなと思って来ました!」
「知っている、我は全ての空と繋がって、てきとうに見ているからな……協力するのは構わぬのだが、力を示すのならば1対1だ」
〈契約〉ではなく〈協力〉と言い直したように聞こえる咲、どうやら契約書とかを書かなくて済みそうだった。
「では、力を示してもらおう、小さき花よ」
大精霊シルフ・デルタストリームによる、謎の乱気流が精霊礼拝堂のフィールドに充満する。
咲は両手剣にある〈真昼ノ剣〉と〈真夜ノ剣〉を構えた――。
豆知識
名前◇大精霊シルフ・デルタストリーム
希少◇SR
分類◇雲の王国ピュリア_召喚術_今現在歴2037年
解説◇謎の乱気流が空飛ぶもの達を守る。エネルギーソースは今現在歴からの小精霊達の力を収束して使う。ので最古来歴や最未来歴、亜空間歴で使用しても今現在歴のエネルギーを回路とし、超自然現象として消費・執行・循環する。
スキルは〈全ての空は繋がっている〉〈謎の乱気流〉〈空を自由に飛ぶ能力〉〈ウエザーボール〉など、意外と強力なスキルを合わせ持っている。
風の色は緑色。長身の青年、両翼に合計4枚の青色の翅があり、髪と眼の色は赤色、白ベースの青の線が入っている中世ヨーロッパ風の服を着ている。種族としては精霊種。自然型の心氣の使い手。
性格は〈勝ち気〉であり、威嚇されると特殊攻撃力が上がる。風の質は、暖かく優しい風が特徴的。戦闘時では温度・湿度・風速共に調整可能。小手先で風質はほぼ何でもコントロールできるが、間違っても〈光風〉ではない。




